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エンブリオ

エンブリオ

エンブリオ

作家
帚木蓬生
出版社
集英社
発売日
2002-07-19
ISBN
9784087753134
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エンブリオ / 感想・レビュー

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藤枝梅安

非常に重く深いテーマを扱った小説である。主人公は岸川という医師。獣医学科から医学科に移り、産婦人科医として働き、現在は40代半ばにして総合病院の院長である。ストーリーの前半で女性が死亡する。その事に殆ど触れないでストーリーは進んでいく。不妊治療。堕胎された胎児の臓器培養。胎児の組織で成人の治療。医師である筆者は岸川という従来の道徳・倫理規範では判断・評価できない医師を登場させることにより、「世界は一つ。命は全て等しく尊い。」という言葉の裏に隠された厳然たる事実:「命に軽重がある。」ことを読者に突きつける。

2010/09/26

choco

拝借本。これはかなり面白かった!ロストケア以来⁈ 医療系はだいたいが想像つき、関係性も分かりやすいから読んでいて入り込みやすい。フィクションだと分かっていながら、たしかに…これは…と、納得が行くような話だった。しかし、倫理的には許されないだろう。どの命も平等であるべきだが、年間100万以上の中絶がある日本で、この医学がもし、発展したら…考えてしまう。ラストはサスペンスだが、ぞわぞわした。

2015/09/03

アーモンド

生殖医療の権威。不妊に悩む夫婦に神と慕われる一方、「エンブリオ」と呼ばれる受精後8週までの胎児?の臓器培養や移植などを自在に操る医師。触れてはいけない領域の意識が自分の中にあるようで、なかなか入り込めず途中まで、読み進むのにかなり苦戦。が、後半は一気読みだった。一見患者にとっては神のようなこの医師の、本心は…。そして、この先どこに向かっていくのだろうと思う。

2016/02/20

マイケル

先進生殖医療何でもありのとんでもない病院の生命誕生を支配する「神」になった院長? 先に読んだ続編「インターセックス」の内容を結構忘れていたがやっと読了。新生児の命よりもVIPへの移植優先、移植用新生児のための代理母、男の代理母(?)など驚きの内容。(ホームレス有効活用?) 体外受精児が出自知る権利、しかし院長の遺伝子を持つ子供が山ほど? 金儲けのためなら何でもありの生殖医療先進国アメリカの精子銀行と代理母。最後はバタバタして偶然クリスマス時期。

2022/12/22

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

先に「インターセックス」を読んでしまったことを後悔しました。けれどそれ抜きにしてもグイグイ読まされました。ところで魂っていつ宿るんだろう?エンブリオに魂は存在するのでしょうか?それを考えるとちょっとぞっとします。★★★★

2009/07/19

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