おどりば金魚
おどりば金魚 / 感想・レビュー
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
「草のたみ、ダストシュートに星、小鬼ちゃんのあした、イヌとアゲハ、タイルを割る、砂丘管理人、金魚のマント」エレベーターのない古びたアパートを舞台にした連作短編集全7話。現実とはちょっとどこかがずれたような不思議な感じが良かったです。アパートの踊り場に突然子鬼が現れ、頭にツノが生えていないか聞かれた「小鬼」と、夫の介護をしながら結婚寸前までいった昔の恋人とのことを思い出す「タイル」の話が好き。「金魚」の話は最後に一条の光が見えた気がしました。他の著書も読んでみたいなと思いました。★★★★
2013/02/23
野のこ
《読友さんのおすすめ♪》やー良かったです。初めはスローペースだったけど、短編が繋がってて わぁって広がる感じ。同じアパートでのちょっと不思議な出会いや物ごとからイマジネーションの世界感があふれてました。草や空の風がふく織物、闇のなかの遠い星のような輝き。心に不思議な気配が生まれる…。特に『タイルを割る』で思い出のタイルのシーンは泣きそうになった。また、小鬼ちゃんの「見つからなかったらお楽しみが続くじゃん、明日は見つけられるかもよって」にぐっときました。装丁の刺繍が可愛い。
2018/07/12
まみ
エレベーターのない古いアパートに住む人々の物語。おどりばで、ごみ集積所で、部屋の中で、すれ違ったり出会ったり。時にはせつなく時にはあたたかい住人たちの思いが描かれる。敬太郎の赤いスカーフだったりジャハドさんの漢字の教則本だったり草代さんのタイルだったりの小物使いがとても印象的かつ好みの感じだった。不思議ちゃんキャラの小鬼ちゃんがお気に入り。
2010/06/18
れんこ
ほっこりした気持ちになれた本。「タイルを割る」が印象に残った。
2015/07/25
愛玉子
古いアパートに住む住人達の日常を描いた、ささやかで、ほんのりとあたたかい連作集。『タイルを割る』が印象に残った。ギャベが気になって調べてしまったのだが、素朴な色合いの、ふかふかした絨毯だった。とても暖かそう。階段を上り続けることに疲れたら、おどり場で少し座って休めばいい。そう、小さなギャベの絨毯を敷いて。
2009/09/12
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