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失踪.com 東京ロンダリング

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失踪.com 東京ロンダリング

作家
原田ひ香
出版社
集英社
発売日
2016-09-05
ISBN
9784087754315
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失踪.com 東京ロンダリング / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

まさかの「ロンダリング(浄化)」続編が読めるとは思いませんでした。確か「原田ひ香」さんを読むようになったのは本シリーズを手に取り、不思議な作風にすっかり魅了され、読み始めた作家さんです。原田といえば「マハ」さんだけじゃない魅力が十分に備わった作家さんだと思います。前作から5年の時を経て書かれており、作中でも4年の時が流れています。正直、前作の人物相関をほぼ忘れていますが、それほど違和感なく読み進めていけました。中途半端は感じは否めませんが、その中途半端さ具合がある意味、本作の醍醐味なのかもしれませんね。

2016/09/25

ノンケ女医長

美味しそうな料理、暖かな食卓を描く作風よりも、私はこっち系の「極めつけな陰」な作風にとても魅了される。一人で過ごしていた生活環境が、いろんな理由で急変し、周囲から忌避される部屋になった。新たな人が、そこで安心して過ごせるようにと生まれたロンダリング。志願する人も、斡旋する人も、陰を背負いながら一生懸命に生きる姿が、私はとても好き。その静かな熱意を描いた作者も、やはり大好き。

2024/11/15

きさらぎ

事故物件に1ヶ月だけ住み部屋をロンダリングする。家賃はタダ、普通に生活するだけで5千円の日当まで払ってもらえるおいしい仕事。高齢化が進み他人とのつながりが希薄になっているこの時代、こういう事態は確実に増えていくのだろう。いい仕事とは思うけどできる仕事ではない。この小説に出てくる人物は皆淡々としている。「(関係を聞かれるたびに)自分の中から何かがぽろぽろ落ちていく気がした」と感じるような繊細さと「失踪したくても逃げるべき母体がない」精神的に他とつながりを持たないような人たち。そこに救われている気がする。

2017/03/22

ユカリ

事故物件に住み部屋の経歴を浄化する、それがロンダリング。やむにやまれぬ事情でそれを請け負う人、一方失踪する人、それを探す仕事、ロンダリングを斡旋する仕事…。相場不動産を中心にロンダリングによってやんわり繋がる人々の連作集。それぞれ独立した話が裏に蜘蛛の巣が張られるように不動産業界に闇の圧力が!荒唐無稽な部分もあるけど、個人が失踪、ロンダリングに関わり自分を見つめる様子が良かった。1話2話で「終わりかいっ!」と消化不良が、後半ちゃんと進んで行くのを読み安心した。悩みさすらうまあちゃんにエールを送る。

2019/01/28

なゆ

「東京ロンダリング」が結構面白かったのでこちらも読み始めたが、「ん?」なんだかモヤモヤとした終わり方の短編がいくつも…。と思ったら、最終的に大きくまとまるワケですな。なんだかロンダリング業がうまく回らなくなること、謎めいた失踪、決断するための言葉、バラバラだと思ってたことが…。仙道が語った失踪必要論は興味深かった。〝騒ぎすぎないこと。帰ってくる場所を残しておくこと。〟前作で幸せに踏みだしたとばかり思ってたりさ子にうす暗い影がさしてて、これが現実、これが原田ひ香。もしかして続きあり?なラストに期待。

2016/12/06

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