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幻の旗の下に

幻の旗の下に

幻の旗の下に

作家
堂場瞬一
出版社
集英社
発売日
2021-10-26
ISBN
9784087754599
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幻の旗の下に / 感想・レビュー

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ミカママ

「交渉小説」ってなによ、という素朴な疑問から手に取った今作だが、これは紛れもなく作者お得意の人間ドラマ。間もなく海外(うちハワイが約半分)で暮らした年月の方が長くなりそうなわたしにとってもまた、特別な思い入れのある作品。「スポーツは政治や戦争には影響されるべきではない」一方で「人と人の心をつなぎ、国境も人種も関係ない」。今年のオリンピックも開催については諸説あったが、終わってみれば…ということだろう。人とスポーツ、政治との絡み、日系人の歴史、テーマは壮大だがとても佳くまとまった作品だった。

2021/10/30

旅するランナー

1940年、オリンピック東京開催返上後、代替国際スポーツ大会として東亜競技大会開催を目指す大日本体育協会。そこに野球の対抗戦を入れて、ハワイチームを招こうとする、協会会長秘書石崎。参加を目指すハワイ朝日マネージャー澤山。この二人の男の友情と野球愛が熱い。それはスポーツの存在意義とか可能性への堂場さんが発する熱量でもある。ビリビリしびれます。読後、この1年後の真珠湾攻撃によりハワイの日系野球チームメンバーはどうなるのか、日本政府は2040年に紀元2700年とか言い出すのか、なんてことが気になります。

2022/01/02

starbro

堂場 瞬一は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。幻に終わった1940年東京オリンピックは知っていましたが、その代替の「東亜競技大会」は、本書で初めて知りました。 80年以上前の話ですが、正に現代に通ずる内容、興味深く読みました。この大会が後のアジア大会の礎になったのかも知れません。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/hatanomotoni/

2021/11/14

いつでも母さん

「スポーツはスポーツじゃないか」「スポーツは何かに影響を受けるべきではない。例えば、政治や戦争などに・・」わかるよ、そうなんだよね。あぁ、IOCや大国の偉い方々に聞かせたい。幻に終わった1940年の東京オリンピックの代替に開かれた【東亜競技大会】を題材に、堂場さんが描く交渉小説。色んな競技が増え、競技団体の駆け引きもあるだろう、加熱する誘致の問題もあるだろう。市井の人間にとっては純粋にただ楽しむ大会なのだが実際は複雑なようだ。商業オリンピックになってからその定義が緩んでいるような気がしてならない。

2021/11/17

ゆみねこ

幻の1940東京オリンピックの代わりに計画された「東亜競技大会」。開催に漕ぎ着けるまでの労苦。日本とハワイ、二人の若者の友情の物語でもあった。

2021/11/21

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