マスカレード・ゲーム
マスカレード・ゲーム / 感想・レビュー
パトラッシュ
シリーズ物とはいえホテル・コルテシアで殺人が起こる事態に備えて新田刑事が三度目の潜入捜査とは、さすがに設定が苦しくなった。ホテル側も慣れたもので以前のような警察との衝突もなく、即座に山岸をロスから呼び戻すなど対応は万全。作者も承知の上か有能だが独断専行気味の女性捜査官を配置し、その捜査のためなら手段を選ばない暴走ぶりにホテルに迷惑をかけまいと新田が苦労するシーンは第一作をみているよう。しかし犯罪者側の描写は変わらぬ練達の筆で読者を翻弄し、最後のサプライズで物語が新しい方向へ進むと宣言したのは心憎い演出だ。
2023/03/14
starbro
記念すべき読んだ本5,000冊目の登録は、マスカレードシリーズの最新作、東野圭吾は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本作はロサンゼルスが舞台かと思いきや、地味な箱崎でした(笑) 東野圭吾版ホテル、安定の面白さ、最期の新展開で、まだまだシリーズは続きそうです。 https://lp.shueisha.co.jp/masquerade/
2022/06/21
ノンケ女医長
とても気の強い、梓真尋警部が登場。名前のルーツを本人がどう受け止めたのか分からないが、行き過ぎた捜査手腕で衝突が繰り返されていそう。刑事が眉を顰める様子に、ヒヤヒヤした。向上心溢れる女性警察官の気迫が、とても強烈だった。著者が今作で最も表現したかったことは、被害者家族の報われない感情だと思う。加害者が、短い刑期を済ませ社会に戻ったり、責任そのものを問えない事件が数多くある。被害者家族の連帯が生まれてしまう現状に、改めて悲しい気持ちになった。ラストシーンを何度か読み返す。彼の選択は本当に良いのだろうか。
2023/11/12
bunmei
お馴染みのホテルコルテシアを舞台にしたミステリー。数名の容疑者がホテルに集結する中で、彼らの動向を追い、殺人事件を防ごうとするだが、今回も、まんまとミスリードにやられた。自分の大切な人が、突然に殺された時、その遺族の無念さは計り知れない。しかも加害者が大きな罪に問われず、日常生活を送っていたら…。そんな加害者が3人続けて殺され、これ以上の事件を防ぐ為に潜入捜査する新田。新たに才女で敏腕な、梓刑事が登場し、中盤からはアメリカ帰りの山岸も加わり、罪と贖罪の入り乱れたヒューマンタッチな葛藤が、琴線に触れる。
2022/05/04
Nobu A
「マスカレード」シリーズ最新刊(図書館本)を読了。「イブ」と「ナイト」を数年前に読み、山岸尚美と新田警部の関係性は覚えているが他はうろ覚え。東野圭吾の措辞に関しては改めて言う必要なし。要はどんな物語展開で読み手を楽しませてくれるか。ローテーション殺人の次の殺害が起きると思われるコルテシア東京に犯罪被害者が集まる設定。そして最後のどんでん返しが既定路線。安定の面白さだが、犯人の動機や実行能力を考えると個人的には今一歩。ところで、最初の「マスカレード・ホテル」が未読了なのに気付く。図書館で借りて読まねば。
2023/07/18
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