老いの重荷は神の賜物
老いの重荷は神の賜物 / 感想・レビュー
けんとまん1007
この穏やかでありながら、しっかりと根付いているものを感じるのは、この方ならではかもしれない。日々の暮らしに対する立ち位置の違いからくるのだろうか。あるがままを受け入れる、そして、そこから自分で考え、自分の五感を信じ、歩を進めること。
2024/06/15
しゃが
病院の待合であっけなく読み終えた。「講演されたお話を読みやすくまとめたもの」らしいが、ミーハーな私が希林さんの語りの本のなかでのチョイスを間違ったようで残念だった。この過剰で安易な出版事情は物事を大事にする希林さんの意をくんだものなのだろうか。タイトルの『老いの重荷は神の賜物』の出典元のホイヴェルス神父さんの手紙や折口信夫の古代の日本人の仏教観「寛容な人類教」は興味深かった。
2019/10/05
Tomomi Yazaki
本書は、お亡くなりになって久しい樹木希林さんの雑観記です。通勤電車で読んでますが、何故か自分だけ時間がゆっくり流れている錯覚に陥ります。彼女の印象はズケズケものを言うドライなおばさん。でも相手のトゲを包み込むような優しさも兼ね備えている。それからよく気が付く。親戚にこんな叔母さんがいたっけ。癌になっても悲壮感は微塵も感じられず、逆に生きる大切さを教わった気がする。最後は飄々とした希林さんと一般人との質疑応答。その話し言葉で彼女の声を、そして顔が思い出される。いつまでも、いつまでも読んでいたい。この本を。
2021/08/05
Galilei
読み始めは、『第5章 これからの私』。亡くなられる前に、何を心に留めてたのだろうと覗いてみると、「心の執着、物の執着を捨てると、すごく気軽に生きやすくなった。」と。一方、『女優』や『杉村春子』のプロ意識は、昭和生まれの方には一読をお勧めです。加えて目を引いたのは、巻末の質疑応答(本著は講演会の集録)で、ボロクソに言い続けた紅白歌合戦なのに、審査員席に座ってしまい、その後何も言えなくなったと。主催者へ心遣いだろうか、世に出たドラマ『七人の孫』のギャラの裏話や、岸本加世子とのCMの稽古は、さすがに控えていた。
2020/08/20
青木 蓮友
まずジョー山中さんの名前とか出しちゃうのがもう、しみじみつくづくと希林さんですよね。ホント多方面から絶妙というか、物事の芯を突くというか。近くに居なくてよかった、芸能人と一般人でちょうどよかったと心底、いまだに思っています。自分の自覚以上に「樹木希林」という人の影響をまともに食らっていて、これはどういうことだと戸惑ってます正直。影響というか、素地にあったものが答え合わせのように鮮明に立ちのぼってきていて。目の前の現実から始めるということ。古着古道具、難題、裕也さんの欠点こそを美点として慈しむ。それ、最強。
2020/01/19
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