連合赤軍とオウム わが内なるアルカイダ
連合赤軍とオウム わが内なるアルカイダ / 感想・レビュー
KASAO
アルカイダとオウム真理教、連合赤軍にはそんな無謀な行動に流されそうもない真面目な理系の学生たちが所属していたという共通点を中心に、それぞれの団体と関連事件を掘り下げた本。彼らが本来の目的である全体の幸せを見失い、自ら掲げた理念に流され、自分の都合の良いように理念を実行、解釈するようになったとき、彼らは彼らが敵対、批判した存在よりも醜悪な存在になったのではないかと思う。
2013/01/20
makimakimasa
10年前に70歳の田原総一郎が書いた本。9・11実行犯のモハメド・アタに衝撃を受けた氏が、優秀で真面目な若者達がテロリズムに走る背景について、アルカイダ→オウム真理教→連合赤軍という3つのテロリスト集団を通して年代を遡りながら検証していく(内容の半分以上は関係者や識者へのインタビュー構成)。テーマとしては魅力的だが、各検証は個別に扱われており、あまり相互に関連付けて語られてはいない(出版を急いだためか、まとめの章も無く、6ページしかないあとがきでは消化不十分)。但し読み物としては十分面白かった。
2014/04/11
ガーベラ
なぜ、「真面目で頭の良い」人達が大量殺戮へと向かうのか。そのわけは、タイトルの「わが内なるアルカイダ」に集約される。自分がこんなことを起こすわけがない、そう思っている人が最も危険なのだ、と。そして本書が促す問題提起は、中東情勢が揺れ動き続けている現代にも貫かれる重要なテーマだ。理論で世界を解明しようと志した若者が、理論では説明できない壁を前にして、世間との隔絶や宗教的な疎外感を感じ、結果、単純に構図化された物語に取り込まれてしまう過程がここから見てとれる。自分のことを優しい人だと思っている人に薦めたい。
2016/05/07
りゅっく
長年、赤軍・オウムは私の中では常に読みたいテーマ。10年前の本だということもあり、特に目新しいものも感じられなかった。著名人がさらっと手がけた感じも否めない。田原さんが特攻志望だったという事、それによりテロを起こすしかなかった人たちへの集団心理を真に理解していることは良くわかりました。
2014/11/27
神戸
絶対的な弱者が追い込められれば、絶対的強者に異議申し立てするには自爆テロしかなくなってしまう。絶対的弱者を追い込まない努力が大切。 幻想を追い求める組織では、過激が賞賛され、力を持つようになる。(現実に戻れないから)日和見や暴走に棹させる人も組織には重要。
2014/11/10
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