記憶の森を育てる 意識と人工知能
記憶の森を育てる 意識と人工知能 / 感想・レビュー
Koichiro Minematsu
茂木健一郎氏はやはり面白い。私たち一人ひとりには、必ず「故郷」がある。生まれ、育ち、友に出会い、愛情を抱き、世界へと巣立っていった場所。そう言っていると書くと文学的で全然、脳科学者らしくない。実はこの後に、「有限の立場に由来する偏りや、視野の狭窄にも気をつけねば」という。体験的クオリアを実社会で如何に快適なオーバーラップとするのか。そうですね。記憶の森を育てるには。
2019/11/25
Nwshina
二時間で読了。自分たちの記憶はどこまでなのか、そんなふうなところからとても漠然としたものまでを纏めた本。専門知識の解説も丁寧なため安心。読み応え抜群。自分自身についても人工知能についても理解が深められるのだ。哲学が苦手ならおすすめできないかも?『日本という国に寄り添いながら、いかに、日本人であることの限界を超えるか』、『私たち人間にとっての「記憶」とは、コンピュータの中のビットとは異なり、より「土」の匂いがするものなのだ』…土の単語が人間らしさを表している、面白い。さあ、未知の旅へ出かけよう。壮大な一冊。
2022/02/08
木ハムしっぽ
脳の働きと人工知能の処理方法には大きな違いがある。人工知能はディープラーニングなどの統計的処理に対して脳は概略認知だという。ヒトは通りを歩いていて目に映るもの全てを記憶することは出来ないが、子供が遊んでも安全そうだとかの判断が出来る。知覚情報は常にオーバーフローする中で、その中から汲み取られる概略認知とクオリア(質感)が立ち上がる。確かに。知覚のオーバーフローに浸ることから生まれる体験を得るためにヒトは旅に出たくなるんでしょうね。
2022/05/10
Haru
N=1の個別性。「今、ここ」に縛られた身体性。難しい議論は分からないのですが、とにかく、「今、ここ」にこのカラダをもって生きていることを大切にしようと、思いました。
2017/02/15
mooon
人工知能と言う問題(もちろん賛否両論あるし様々な切り口がある)に対して、脳科学から切り込んでいる。もうこれ以上便利にしてどうすると言うのだろうか?テクノロジーの進歩は常に軍事力の推進に端を発している。このまま突き進めば一瞬で人類、生命そして地球は終焉を迎えてしまうと思う。その引き金は一人の人間のミス、あるいは想像力の欠如、欲望や恐怖、はたまた好奇心による一回のクリックやエンターキー。人差し指が数ミリ下がっただけの事で全てが終わってしまう。だからこれ以上の便利さはいらない。ましてや軍事力なんてものははなから
2016/07/12
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