雪男は向こうからやって来た
雪男は向こうからやって来た / 感想・レビュー
オフィーリア
ヒマラヤの雪男探索チームに参加した探検家のルポ小説。雪男がメインと言うより雪男に取り憑かれた人間達の描写がメインでしょうか。最初は雪男の存在なんて信じて無かった筆者が関係者へのインタビューを重ねる内にその考えが揺らぎ始める心情が読んでいる私と重なりました。「存在する」証明は可能でも、「存在しない」証明は不可能だからこそ、人はロマンを追い続けるのでしょう。
2021/07/01
Mumiu
雪男、マジで。いるの?いないの?どうやら二足歩行をするかどうからしい。なのでカモシカはだめだけど、もしかしてオランウータン⁈、よくわかんないけど・・・はありらしい。ヒトがほとんど訪れることのない、つまり厳しい環境の中、ヒトに近い希少な何かを一度見てしまったひとは、やっぱりとらわれてしまうのでしょうね。
2014/07/31
アリ子
雪男とかイエティとか、たくさんのUMAの一つくらいに思っていたけど、前半の複数の有名な登山家の目撃談などから、だんだん実在するのではと思えてきた。不思議なのは、写真に姿が写らないという現象である。正体を知りたいような、知りたくないような。。。
2015/01/22
ガクガク
「人間には時折、ふとしたささいな出来事がきっかけで、それまでの人生ががらりと変わってしまうことがある。旅先で出会った雪男は、彼らの人生を思いもよらなかった方向に向けさせた。・・・雪男は向こうからやって来たのだ。」角幡唯介の第2弾。自らの思いで計画して出かけた冒険ではないので、『空白の五マイル』よりはインパクトに欠けるが、本書は雪男に魅せられてしまった男たちの人生に迫った物語だ。著者はその「行きずり」に心を動かされた。もはや引き返すことのできなかった物悲しい人生がここには描かれている。
2013/07/03
michel
★4.6。非常に興味深く読んだ。『極夜行』を読む前に、まずこちら。角幡さんの、客観的、論理的、多角的な視野による体験と取材と考察。文章が上手い。また整理された展開に、ぐんぐん読み進まされた。彼が単独で探検する理由が分かった気がした。探検でしか得られないものがある。”体験がもたらす認識”にこだわるの彼にとても魅了された。--雪男はおそらく人を選ぶのであろう。ーータイトル、秀逸。
2018/12/30
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