スナーク狩り
スナーク狩り / 感想・レビュー
ヴェネツィア
『不思議の国のアリス』よりも10数年後に書かれた作品。原文は韻文で綴られているようだ。本書は、ルイス・キャロルの詩とトーベ・ヤンソンの絵、そして訳は穂村弘という異色の組み合わせ。ちなみに、ヤンソンは『不思議の国のアリス』も描いている。穂村弘にとっては、おそらく初めての試み。さぞ苦心を凝らしただろうと思われるのに、こんなにあっさりと読んでしまって、申し訳ないような。内容はアリスよりもさらに荒唐無稽なナンセンス詩が8篇。幻のスナークはベケットのゴドーを連想させるが、難解さはあるいはそれ以上かとも思う。
2014/11/29
nuit@積読消化中
ルイス・キャロルとトーベ・ヤンソンの夢の組み合わせ!しかし、訳者の種村氏もあとがきで語っている通り、作品は19世紀の韻文、ルイスは言葉遊びの天才、もはや種村氏が素晴らしい工夫で訳をしてくれていても、私の読解力では歯が立たない(苦笑)!…しかし、登場する奇想天外なキャラたちが、正体不明のスナークを「細心の注意をもって指ぬきで探す」意気込みだけは理解できました(笑)。加え、第5の歌のビーバーと肉屋の友情にはきゅんとしました。そして、トーベ・ヤンソンの絵は、どれをとっても可愛くて大好きです(๑˃̵ᴗ˂̵)!
2017/09/24
新地学@児童書病発動中
ルイス・キャロル(作者)、穂村弘(訳者)、トーベ・ヤンソン(絵)という、私にとっては夢の共演。ヤンソンの絵が特に素晴らしく、原作の持つちょっと不気味でちょっとユーモラスでちょっと切ない雰囲気を、見事に表現している。ほむほむの訳も素晴らしかった。日本語の「五・七」のリズムを活かしたもので、読みやすい。おまけに最後に「反歌」を付け加えて、この作品に独特の味わいを付け加えている。肝心の物語は透明なナンセンスにあふれており、そのナンセンスの中に浸りきるのは楽しい体験だった。
2014/11/18
nobby
これは僕には分からない(笑)最後に触れた「そうスナークはブージャムだった」という一文で相対したあの事実、そしてバンダースナッチの登場を目にしただけで満足としよう♬とにかく元々が言葉遊びで韻文で歌らしいと知ったが、正直この訳でそのニュアンスを感じ取ることは難しかった…かと言って、原語での確認の障壁は極めて高いし…何より、きちんとした物語がある訳でもないので、トーベ・ヤンソンのムーミン風な挿絵で雰囲気を味わえばいいんだと思う。それでもやっぱり自分はワードやセンテンスだけではなくてストーリーありきに魅力感じる…
2019/12/16
優希
ルイス・キャロルの韻文にトーベ・ヤンソンが挿絵をつけた作品です。ナンセンスながらも言葉遊びの才能は健在。目に見えない「物」を捕まえようとする冒険。噂によって想像が豊かになり、恐怖へと変わっていくのですが、結局怪物「スナーク」は存在したのでしょうか。意味を考えて読むより、リズムにのって読むのが向いている作品だと思います。五七調のリズムが何気に懐かしい感覚にしてくれます。
2015/07/05
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