美麗島プリズム紀行
美麗島プリズム紀行 / 感想・レビュー
starbro
乃南 アサは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。『美麗島紀行』に続く第二弾、表紙とタイトルからキラキラした旅行記かと思いきや、台湾の歴史、風土記、現在を巡るシリアスなエッセイでした。台湾の総統選挙はアメリカの大統領選に近いんですね。まだ台湾は訪れたことがないので、コロナ禍が落ち着く2年後?に、大学卒業35周年記念に大学の同級生と旅行に行きたいと考えています。 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-781696-9
2021/01/04
Kei
美麗島と呼ばれ、過去に独立国家であったことのない島、台湾。著者は、東日本大震災にたくさんの義援金を送ってくれた台湾を知りたい、と訪れ、二冊目の紀行文。原住民族、日本統治時の日本人、国共内戦以前からの内省人、後の外省人。様々な人に出逢いながら、各地を歩き、歴史を紐解き、台湾の多彩な表情を綴る。その時々の時代や体験や立場で、ひとつの事柄もプリズムのように光りのあたりかたがまるで違うのは、あたりまえ。長く過酷な時を生き抜いてきたからこそ、自ら勝ち取った民主主義を大切にしている近くて遠い島に、感慨深くなりました。
2021/02/17
榊原 香織
美麗島紀行の続編。昨秋出たばかり。こちらの方が面白い。 台北で“くーりんじぇ”という町名表示見て、あれ、と思ったのだけど、やっぱりあの映画の。 3月の台湾ではレンブという果物をたくさん食べるのですが、あれは屏東が有名なのですね、黒珍珠というのが最高銘柄。 カバランのフィノという最高のウィスキーが台湾にあるらしい。今度行ったら買ってきたい
2021/02/14
hiro
5年前に乃南さんの『美麗島紀行』を読み、その後も台湾のことを知ろうと、台湾出身の東山彰良さんの『流』なども読んだ。そしてこの本を知り、即図書館で予約した。乃南さんはずっと台湾に住んでいるのかと思うぐらい、足しげく台湾各地を訪れており、気候・風土・民族・歴史・習慣・産業・食べ物などについて、前作以上知ることができた。その中でも、日本の統治、その後大陸から国民党がやってきた「狗去猪來」の時代について、直接一般市民に聞いた話が心に残る。今、いち早くコロナ対策を成功させ、注目される台湾を知ることができる本だ。
2021/02/11
R
観光エッセーとは一線を画する、台湾の近代史、日本との関わりを丁寧に取材しながら、今の台湾を見てきた紀行文でした。台湾の人たちの生活が垣間見えるやりとりや、やさしさを感じる挿話もよいのだけど、一方で台湾における政治の難しさ、外省人という存在、統治時代をどう考えるかなど、テーマとして重いものもあり読み応えがある。台湾のこれまで、そして今というものを人に根差して取材した内容だと思えるのがとても素敵な一冊でした。
2021/05/04
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