神々の山嶺 5 (愛蔵版コミックス)
神々の山嶺 5 (愛蔵版コミックス) / 感想・レビュー
かっぱ
【再読】我儘で純粋、痛みを絶対に忘れない、その痛みで生きている獣。それが羽生丈二。地球の天辺に向かって点々と刻まれた足跡。人はみな何かに向かって歩き続ける。エヴェレストの稜線を歩くふたつの影として想起されるマロリーとアーヴィンのように。そして、羽生は最期まで、その先にあるものを想い続けた。
2013/05/26
サケ太
『さあ たちあがれ たちあがったら ゆくのだものな いいか やすむな 思えーー ありったけの心で 思え 想えーー』凄まじい。羽生最後の登攀。あまりにも手に汗握る。これはなんだ。なんだこの熱さは。逃げなかった深町は。心の中に羽生を飼ってしまった。涼子と付き合い、取材を評価されて、それなりに満たされた日々。それなりに、だ。何かが足りない。そんな彼が再びエヴェレストの地へ行くのは運命。進む、進む、進んで、登る。そして、エヴェレスト登頂の真実。もう、なんというか非常に満足。こんな作品に何故今まで触れなかったのか。
2017/03/03
yossy
普段、漫画を読まない私も熱い気持ちにさせたなんて夢枕獏さんと谷口ジローさんてすごい(笑)。原作にほぼ忠実ですがラストが違うな、と思ったら1999年にマロリーの屍体が発見されて、原作を文庫化するにあたり手を入れられたんですね。漫画版のラストの方が好きです。「映画公開まで原作を読めない」と言う方はこちらの漫画版でも大丈夫ですよ。
2016/02/29
アメヲトコ
読了。森田勝と長谷川恒男のエピソードをもとにした前半部から、エベレストをめぐる後半部に移り、終盤に向かうにつれての緊張感は素晴らしく、ラストシーンには震えがきました。小説も読まねば。
2016/03/21
itaruotton
「人はなぜ山に登るのだろうか?」命をかけてまで危険な登山に挑むことは、無謀で愚かな行為だとは思う。それでも、この漫画からは、それを「愚かで無意味だ」と一笑に付すことが出来ない登山の魅力と気迫が伝わってくる。吹雪の中、登場人物の一人が朦朧とした意識の中で、思考がどんどんとりとめなく拡散してゆく描写がとてもリアルで、思わずゾッとした。
2016/01/03
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