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うまれることば、しぬことば

うまれることば、しぬことば

うまれることば、しぬことば

作家
酒井順子
出版社
集英社
発売日
2022-02-25
ISBN
9784087880694
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うまれることば、しぬことば / 感想・レビュー

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シナモン

日本語の変遷をたどるエッセイ。酒井さんの鋭い着眼点と独特の語り口、おおいに楽しませてもらいました。Jポップ、Jリーグ、JR〜平成は「J」化が進んだ時代…言われてみれば確かに!「個人的な意見なのですが」は小学生が教室で当てられた時によく使った「間違ってるかもしれないんですけどー」(確かに使った記憶が笑)の大人バージョンであり、関西における「よう知らんけど」の関東バージョン…なるほど! 言葉はその時代の社会背景を映しながら変化していく。言葉は生きてるんだな〜と実感。面白く興味深い一冊でした。

2022/07/28

とん大西

面白い!面白いなぁ。私も仕事では文章の読み書きの割合が半分以上。普段から言葉選びには慎重な方ですが…。酒井さんの皮肉と自虐を込めた言葉への想いと矜持、いやぁ、楽しく刺さります(^^)。三密をこきおろした『「三」の魔力』で大いに共感し、『「黒人の人」と「白人」と』で差別意識のファクターをあらためて気づかされ、『「個人的な意見」という免罪符』で自身の言葉選びの拙さに苦笑い。その鋭さと軽妙な書きっぷりに拍手喝采です。(ダ・ヴィンチのエッセイ部門20位に入ってたので、こりゃぁ読まねばと思って即借りてきましたゎ)

2022/12/18

しゃが

タイトルから生死観のエッセイかと思ったら、言葉から見る世相や環境の変化を語っている。重箱の隅を突いているところもあるが、男女・職場・人権から生きかたまで日本人の意識、社会的背景を鋭く痛烈に掘り下げている。高齢者には辿ってきた過程なので「あるある」で納得でき、興味深い。中村桃子さんの『「自分らしさ」と日本語』とも呼応。「ことば」にまつわる私が抱えていた座り心地の悪さの原因に迫ってくれる。一つのある言葉を生み、消す過程は他者や文化を理解する一つの術となる。(つづく)

2022/03/28

とよぽん

ことばをめぐる、栄枯盛衰? とにかく面白かった。後半が特に。論も鋭いが、酒井さん独特の言い回し、常体と敬体が混じる展開など、今回も楽しませてもらった。

2022/06/10

たま

2022年4月刊。23のコラムみな面白いが、中でも「『気づき』をもらいました」。元気をあげるとか貰うとか鬱陶しいなと思っていたが日本語のあげ・もらい文化が言わせる表現のようだ。「『黒人の人』と『白人』と」私もこの言い方している!「『生きづらさ』のわかりづらさ」と「『寂しさ』というフラジャイル」も共感。「お寂しくなりましたね」くらい言ってほしいし言わせてくれ。「『ハラスメント』という黒船」セクハラのような言葉は実に便利で今までうまく説明されなかった問題をポンと共有できる。欧米由来なのが残念だけど。

2024/06/12

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