少年は荒野をめざす 6 (マーガレットコミックス)
少年は荒野をめざす 6 (マーガレットコミックス) / 感想・レビュー
コリエル
完結。自己の理想を、自己認識を失い、宙に浮いたようになる狩野。狩野と出会ったことで、抑えつけてきた自分と向き合わねばならないことを恐れ逃げ出す陸。そんなふたりの再会と逃避行の果て。現代ならば味気なく自分探しと呼ぶものかもしれないが、この二人はもう少し切実なものであると個人的には信じたい。陸は自分の気持ちに素直になりに旅立つことで、狩野は理想の少年ではない女である自分自身を書くことで肯定することで、別々のふたりとして再出発する。やっぱり十代の早いうちに読んでおきたい作品だな。
2018/05/29
日々珠
ぽつりと落ちた雨が、全てを変えることがある。炎天下に身長ほどの向日葵持って出かける少女。陸上競技場は人が多くて空っぽで。少女はそこを走る少年になりたかった。「ここじゃないどこかならどこでもいい」断片が鮮やかに、今も私に蘇る。「学校は全て平屋にすべきだ!」出会った二人に追い付くことはできるのか。恋愛というにはあまりにも甘くない、自己への哲学。
2012/05/28
maki
【過去の読書記録】自分を形成した物語。星では表せない。
感想・レビューをもっと見る