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空の色ににている (ぶーけコミックス)

空の色ににている (ぶーけコミックス)

空の色ににている (ぶーけコミックス)

作家
内田善美
出版社
集英社
発売日
1981-05-01
ISBN
9784088600116
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空の色ににている (ぶーけコミックス) / 感想・レビュー

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糸車

どういえば伝わるだろう。ごく当たり前な生活の中で忘れてしまうような些細な思い。たとえば借りて来た図書館の本の貸し出しカードにいつもある名前。ずうっと一緒に居たのにどこと知れずひっそりと行ってしまった猫。花の名前がつけられた色。ページをめくらないでも空で言える言葉がいくつもある。緻密に描きこまれた絵と独特な空気感がとても好きだった。何度も引っ越ししたけれど手放せなかった大切な本。(同じ高校に行った弟が「図書館で借りる本ほぼすべてにねえちゃんの名前があった」と言ってました(笑)。ほお、同じ趣味でしたか)

2015/10/30

nagatori(ちゅり)。

蒼生人、浅葱、冬城。3人の持つ空気は其々に澄みとおっていて美しいのだけど、不思議なほどその色が違う。その違いに翻弄され、それらの共鳴に溺れて、私まで彼らの世界に触れられるのでは、という錯覚を起こしそうになる。「ひとりしずか、うまごやし、あざみ 山吹、夾竹桃…」浅葱の声が、夜に沁み渡り聞こえてくるような気がしてならない。…ダメ、うまく感想が書けない程大好きです。それにしても浅葱の着ている制服が他作品でも見たような気がして…??他の作品とパラレルになってるなんてこと、あるかな?

2015/12/16

くさてる

人間は生まれたときからあらかじめなにかが欠けている存在。そしてひとはそれを埋めるためのなにかを求めている。その欠損に気づいていても、いなくても。そんな単純な事実をこんなに厳しくつきつめて考えて、その結果がもたらしたものをこれほど温かく優しいものに変えた物語を、わたしは読んだことはありません。

2014/10/08

岡本匠

昔の日記にこんな感想が書いてあった。 「「空の色に似ている」を高校生の時にはじめて読んで、それから何度繰り返し読んだかわからない。いつも手元に置いているし、今も時々読み返す。自分にとって特別な作品だと思う。絵の美しさ、緻密さに、吸い込まれていくような感覚、「何か」を追い求め、とどかないもどかしい想い。 もう新しい作品を読むことはたぶんできないのだろう。」 昔の漫画家で本は全て絶版となっている。この感想は10年前に書いたモノだけれど状況は変わっていない。せめて再版して、多くの人が読める状況にして欲しい。

2016/01/07

いやしの本棚

これはもう…詩。『星の時計~』『草迷宮~』で魅力となっている幻想成分なしに、彼岸と此岸の境界をまっすぐ見つめていて、登場人物の傷みがダイレクトに伝わってくる感じ。 あともちろん漫画なので絵が素晴らしく、描き込みの細かさに目がつぶれそう。凄い。物語の始まり方が…つい『耳をすませば』や! と思ってしまいますが、こちらのほうが先なんですよね。よく知らないけれど、柊あおいさんは、内田善美作品がお好きだったのだろうか。学校の図書室や、図書係…なつかしい。あの頃の思い出、記憶、の優しさのために、司書になった人は多い。

2020/02/24

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