ハチミツとクローバー 10巻セット (クイーンズコミックス)
ハチミツとクローバー 10巻セット (クイーンズコミックス) / 感想・レビュー
at-sushi@ナートゥをご存知か?
「3月のライオン」に惚れてデビュー作へ遡行。美大を舞台にした青春ド真ん中な群像劇。ツイスターゲームや「青春様」、「山田ジェノサイド」、随所に散りばめられたオタクネタでガッツリ笑わせておきながら、ただのラブコメで終わらない所が凄い。 掲載誌を3度も変えながら書き上げた著者の情熱が、作品を創り続けることを宿命づけられたはぐちゃんの生き様と重なる。ノリと勢いの瞬発力まかせな男性漫画家に比べ、女性の方は、予めゴールを決めて描くタイプが多い気がするが、このタイトルからゴールまで決めて書いてたとしたら凄すぎる。
2016/12/03
masa@レビューお休み中
登場人物のキャラがいいのか、ストーリーがいいのか、はたまた絵がいいのか…。読み進めながら考えていたのだが、ハチクロの魅力を一言で表すと「危うさ」なのではないかと思う。恋の危うさ、友情の危うさ、夢の危うさ…一歩間違えると、そんなのただの茶番だと思ってしまうところを、うまい具合に魅力に変換している。現実には有り得ないシチュエーションも出てくるが、それも背景にある重さを打ち消すために用意されたものではないかとすら感じてしまうのだ。 つづき→
2012/03/26
PSV
不器用な立ち振る舞いは、若者の特権だと思う。感情に翻弄されるのは、若さの証だと思う。いつしか人は、変に器用に生き、感情を抑え、淡々と人生を消費する。人生の燃焼は、生きていることそのものだと思う。無駄のない人生なんて人生じゃない。無駄に生きて、不器用に生きて、感情に振り回されて、そうして人は生の実感を得るんじゃないでしょうか。思えばつまらない生き方をしてしまった。 ★★★★★ 絵柄は最後まで、好きにはなれませんでした。
2012/06/15
きんぎょっち
全10巻一気読み。美大生の青春もので、友情・恋愛・進路にまつわる悩みやコンプレックスやらを通して成長していく若者達が描かれている。つらい家庭環境や悲しい事故は話に頻出するものの、悪人や悪意ある人間が彼らの周囲に全く登場しない(森田の過去除く)事が、この作品のじんわり優しくどこかフワフワ現実離れしたカラーを作っているのかもしれない。そのため感動する読者もいれば、話に入り込めない読者も出るのでは。私は若い頃だったらフワフワ感を受け付けられなかったかもしれないが、いい年齢の大人なので微笑ましく読ませてもらった。
2019/05/05
山口透析鉄
これは単行本、全10巻を購入し、この頃1日で一気読みし、後に電子版でも買い揃えています。 美大生とそれを取り巻く人たちの群像劇で、はぐちゃんの天才ぶりって多分、作者ご本人にも通じるのでしょう。 それぞれ思い悩みつつも精一杯生きて、そして、それでも人は生きるに値する、と言い切った作品として、名作、です。 TVアニメにもなり、映画等々にもなっているのも当然で、2度にわたる連載誌の休刊にもめげず、出版社も渡り歩いても完成させた作者も天晴れでした。 是非とも読んで欲しい作品です。ホントに素晴らしいです。
2001/08/25
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