屍鬼 11 (ジャンプコミックス)
屍鬼 11 (ジャンプコミックス) / 感想・レビュー
nanasi
最終巻です。全11巻,44話でした。結城夏野,室井清信編。巻末にあとがきと「じいちゃん!ばあちゃん!竜が行ぐがらな~♪」が収録されています。すっきりした終わり方でした。室井は人狼になったのかな?
2013/06/21
とら
完結。屍鬼が生み出された?いや実際には人狼のなりそこないらしいけれど...この外場村で起きた屍鬼と人による争い、沙子が発端?でも何故数多くいる屍鬼の中から沙子が選ばれたのか...完結したというのに謎は増えるばかり。でも謎が残るということはまだ物語は終わっていなくて、おそらくたぶん辰巳の代わりを静信が務めるだけのこと。絶望しかない屍鬼には、生きるために生きるという選択肢しかない。あがいてあがき通すしかない。人も屍鬼も何ら変わりない。残酷だ。小野不由美による原作と漫画版は違うらしいので是非読んでみたいです。
2012/10/29
藤月はな(灯れ松明の火)
原作ともアニメとも違う展開ですが私達に問いかけられているのは同じで異端の存在に対する人間の残虐性や生きることの意義が容赦なく、描かれています。現在、宗教論で「人間はどのように生きるべきか」を学んでいますがこの作品は存在するものは皆、いなくなるという虚しくも普遍的な事実や神にすら見放され、業も罪と認められず、罰すらも与えられる権限すらない屍鬼という存在を通して人間への永遠の問いかけを模索した作品だと思います。藤崎竜さん、本当にお疲れ様でした。そしてこの大切な作品を昇華させてくださり、ありがとうございました。
2011/07/05
藤月はな(灯れ松明の火)
屍鬼が存在していた痕跡はあるのにその存在が信じられないということで忘れ去られる罪。外場村での虐殺に関わった人々は沙子やカインやエデンの外の外に住まう悪霊達と同じく、縋れるはずだった摂理に見放されて犯した罪が罰せられずに抱えて生きていかなければならなくなった事実に胸が潰れそうになります。喜びを知るが故に深まっていく絶望、生きていても埋まることはない虚無、祈りも願いも届かない世界に見放された思いを抱えても生きたいというエゴと向き合い、生きていかなければならないことを何度も問いかける作品。
2012/08/25
ぐうぐう
藤崎竜の、大いなるチャレンジが、ついに完結! 小野不由美のあの原作をコミカライズすると想像した場合、一番真逆の表現方法として、藤崎の画はあったと思う。しかし藤崎は、原作と真摯に向き合い、丁寧に踏襲しながらも、堂々たる貫禄でもって藤崎竜の『屍鬼』へと昇華させた。この最終巻を読んでいると、そもそも小野の『屍鬼』が、キングの『呪われた町』にオマージュを捧げた物語であったことを思い出させる。それほどに藤崎版『屍鬼』は、原作の精神を見事に抽出している。
2011/07/11
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