エリア88 4 (少年サンデーコミックスワイド版)
エリア88 4 (少年サンデーコミックスワイド版) / 感想・レビュー
イプシロン
前半で基地が破壊され、後半で新基地への移動が描かれる。それまで個人プレーや独断が許される「契約」にもとづいた傭兵家業が、国家の軍隊や組織という「命令」で動く為政者の道具である兵士になったことが示唆される。その途次、それまで人の生死は個人の力量や運命にかかっていたが、組織化によって人為に左右されることを抉りだすのは見事だ。しかし国家というのも実はルソーが述べた「一般契約」に基づくものであるが、そういう部分が無視されやすいのが国家であり軍隊であることを示唆する、作者の政治感覚の鋭敏さには驚きを禁じ得なかった。
2019/05/07
佳蘋(よし)
名作
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