ねじの人々 (3) (裏少年サンデーコミックス)
ねじの人々 (3) (裏少年サンデーコミックス) / 感想・レビュー
あなほりふくろう
ごめん、俺も高橋が恋愛して身もだえするところを見たい、な第3巻。「実存」人間は既存の価値観にどうしようもなく押し込められた存在である、だからそれと立ち向かって自由であらねばならない、なーんて学生運動がフランスではおこったんでしたっけ。押し付けられてるかなんてことさえ自分で決めること、取捨選択はわが手にある。手前で決めて動いて、そのうち疑いをもったら立ち止まってまた考えればいい、でまた決め直して動き出して。そんなことをきっとずっと、繰り返していくんだろう、それが「考える」ということなんだろう。
2017/02/18
トラシショウ。
多すぎる答えを得られる事にやがて麻痺していく携帯電話、「働く」と言う事が人にもたらすもの、より現実味の薄いフィクショナルな理想像を押し付けられ膠着している物語の中の「幼馴染み」、そして時代と共に移り変わり変貌を遂げてきた「物語」と言う構造。これらとこれまでの思索を通じて、「哲学」が人に与えてくれるもの、与えられないもの、その存在する意味が見えて来る、終始納得にうなずいてばかりの完結編。平凡で普通に可愛い高橋さんより、小難しくて理屈っぽいけど、俺、断然万子の方がヒロインとして好きだなぁ(以下コメ欄に余談)。
2017/02/26
∃.狂茶党
事態はメタフィクション。 ある程度の人気作品も描いた作者は、真面目なことを考え、当然の如く悩む。 ヒットを出すはクリアしたがその後も同じことが続くのか、編集が要求してくる受ける要素に納得いかないときは?この辺り、創作物好きには大変興味深い。 創作者は悩んでおられる。 ここから物語論に突入するのが、この作品の本気度。 この本は完結したんでしょうか?続きは読者の中にでいいのでしょう。 最終巻はかなり漫画的ですが、最終話では、非常に素敵な漫画の絵があります。 「ヒラニヤガルバ、何を夢見る」 「世界を」
2023/03/09
ぷほは
まぁこのあたりが潮時か。幼馴染やヒロインの特別性を如何に問えるのかは『神のみ』でも眠れる女神という設定でかなり試行錯誤されていたが、どうやら今回は物理的時間切れ、有限責任会社abcよろしく、インクが切れた時が物語の終わる時、ということだろう。1巻の期待度は2巻でやや裏切られたが、3巻では山の上の景色を自分たちだけの「答え」として一枚の絵に表した点、これこそ若木民喜が哲学者ではなくマンガ家という表現者として評価すべき一点に他ならない。蛇足だが、カントの死後には自宅に大量の今で言うエロ画像が発見されたらしい。
2017/03/01
YS-56
見たことのない景色へ。考え続けるのも悪くないです。
2022/02/17
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