風と木の詩 17 (フラワーコミックス)
風と木の詩 17 (フラワーコミックス) / 感想・レビュー
カキ@persicape
人は愛を請わずには生きられない。その形には正解がない。それは育った環境で教えられた価値観により根付き、人生の中で少なからず形を変えていく。それを褒められようが貶されようが関係ない。清らかであれ歪であれ何であろうが彼を彼女を愛していたと言うのならそれが愛なのだ。現在と過去、世代を超え語られる愛憎の物語。蔑み憐れみ時に涙し取り憑かれたように読み切ったが、胸に残るは何とも形容しがたい満ち足りた虚しさだった。これでもかというほど残酷でそれでいて美しく深みに落とされる。この読書経験は他に変わるものはきっとない。
2017/12/07
真霜
考えること、感じることは沢山あって上手く纏まりませんが総じて「美しい物語」だったと思います。これが薔薇色の人生だったのか地獄の中の悪夢だったのか彼らの胸の内にしかないものですが少なくともセルジュとってはかけがえのないものを手にしたのだと。セルジュは青年、大人になれる人種でジルベールは少年のままでしか生きられない、これが決定的な違いだったのかと考えていました。読んでいる間古いという印象は全くなくむしろ今の時代に沿ったとしても唯一無二の新しい作品だと思いました。読了後は理由は明確ではないですが涙を溢しました。
2017/12/07
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