素晴らしい世界 (1) (サンデーGXコミックス)
素晴らしい世界 (1) (サンデーGXコミックス) / 感想・レビュー
ゼロ
浅野いにお全開の青春モラトリアム短編集。連載当時の若者を描いているのもあり、令和に読むと古臭く感じる。斜に構えている若者がいたり、バカなことをしたり、飛び立ちたい人間がいたりとする。短編の宿命か、登場人物のポエムであり、オチも弱い。が、それで良いのだろう。深く考えているようで考えてないモラトリアムとは、こんなものだ。まだこの時は書き分けができていなかったのか、同じ人物だと錯覚するような人間が出る。それも含めて、青くて春な作品でした。
2024/05/16
a
浅野いにおの初期の短編集です。どの話も、なんとか前を向いて、生きることに執着しようとする主人公の姿がたまりません。浅野いにおらしい、こじらせた感じがありつつも、展開が素直で直近の作品よりも読みやすかったです個人的には、短編集は、引き込ませるワンシーンがある話が好きなため、「森のクマさん」と「白い星、黒い星」が好きでした。特に後者の話の最後の構図はすごいなぁとただただ感嘆しておりました。
2015/09/10
九鳥
第2回いにお祭り。大学や会社をドロップアウトしたり、バンドや漫画や博打のような夢を捨てられなかったり、そういうヤンキー成分って結構みんな持っているんだと思う。最初の話が好き。ナイスガメのテポドンいいよ。
2009/09/21
きんぎょっち
面白くなかった。軽い作風が持ち味のようなので、シャレた青春モノにすれば良かったのでは。世相や死を絡めた青春モノにしたかったのだろうが、キャラクターはみな類型的で現実感がなく浅いし、ストーリーもどっかで見たようなものばかり、オチもありきたりで力不足だ。軽い空気感という作風を生かして、明るい話を描いてはどうかな。
2019/03/31
翔亀
この作家22才の時の本格的デビュー作。コミックスとは、とんとご無沙汰だったが、過労で頭も体もくたくたの折、読メで書名が目について、ちらっと眺めたらたちまち惹き込まれた。あらゆる可能性が開かれているはずの青春時代における挫折と希望というよくある題材だが、屋上・跳躍といったモチーフを詩的にちりばめリリカルに語った良質な短編集。下巻は未読だが、郊外都市の群像劇として全体がまとまる、連作集になると面白いかも。いずれにせよ、私の普段の読書傾向からは、たどりつけない作品を教えてくれた読メに感謝■84
2013/12/08
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