素晴らしい世界 (2) (サンデーGXコミックス)
素晴らしい世界 (2) (サンデーGXコミックス) / 感想・レビュー
ゼロ
完結。連作短編集で、2002年にあったモラトリアムな雰囲気が作品に詰まっていた。後半からファンタジーな雰囲気になり、桜の景色と共に物語が収束し、終わった。このまま世界が続けば良いのに…というのは、見方を変えれば、一つの呪いになる。捻くれた著者だけど、前向きに素晴らしい世界だと肯定するのは良いかもしれない。作中にあるポエムを含めて、若い時にしか書けない恥ずかしさと青さがあった。なんていうか20代って感じの作品でした。
2024/07/10
RYOyan
最終話でうわーぁんと来た。季節のある国に生まれて良かった。これ最初読んだ時、20代で老成してしまったかのようなこの感覚か・・・と、若干違和感を感じたけど、改めて読んでみたら、いにおニズムの原点みたいなものを見つけた気がして新鮮だった。
2015/10/04
a
下巻の終盤は浅野いにおらしい退廃的なSF要素が強くなっていました。上巻で唯一、変化がないことを幸せだというオチをおいていて違和感のあった「untitled」の登場人物を、最終話「桜の季節」でああいう形で持ってくるのはニクいなぁと思いました。主人公の男は、作中一番辛い状況だなぁと思いつつ…見開きで彼女が桜を触れるシーンは感動的でした。この、刹那的な美しさを感じる瞬間があるからこそ、人は生きられる、いや、生きたいと思うんでしょうね。浅野いにおの言葉を借りれば、生きていればきっと、いつかどこかでいいことがある。
2015/09/11
九鳥
こっちの話では一見悩みなんてなさそうな人、に別の話では別の角度から視点が当たるのがいいな。このままゆるく曖昧に幸せで不幸な感じのまま進むのかと思ったら意外な結末。読後にタイトルがまた余韻を残す。
2009/09/21
多田幾多
たとえ昔の記憶が美しくても、いつまでも過去にしがみついていたら前には進めない。だから前へ進もう。この下らなくって不条理で、愛おしい、素晴らしい世界とともに…
2013/04/01
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