AWAY-アウェイ- (1) (フラワーコミックス)
AWAY-アウェイ- (1) (フラワーコミックス) / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
小松左京の短編『お召し』をもとにした長編SF。18歳以上の大人が消えてしまう世界が舞台で、異様なサスペンスが漂っている。『お召し』の中にある瑞々しい情感を生かしながら、萩尾望都独自の物語を紡ぎ出しているところが素晴らしい。繊細さと華麗さを兼ね備えた線画は相変わらず冴えており、この方は自分の中に尽きることのない創作の泉を持っているのではないかと思った。続刊が楽しみだ。
2015/05/25
cuipa
萩尾望都が肯定的に描く女の子って外股なんだよね。スパッと立つ。表紙の一紀の凛々しさよ。小松左京の「お召し」が原案だが、他の作品、たとえば「こちらニッポン…」からも多分に要素を取り入れているように見える。子供が大人として振る舞おうとする健気さに泣けるが、こういう時にここぞとそれまで満たすことが許されなかった欲望を発散させる子も…
2015/09/24
友和
ある日、大人たちが消え子供だけが残ったSFサバイバル。小松左京「お召し」を萩尾望都がどう描くのか楽しみです。
2014/07/12
honoka
近未来なだけにリアルな恐怖。18歳未満の子どもだけで生きていけるのか…人は生まれてすぐに立てるわけではなく、母親の乳を本能で探せるわけではなく、本当に脆弱な生き物だ。大人だって、様々な仕事人に暮らしを支えられている。いずれ電気や水道、ガスなども回らなくなるだろう子どもだけの世界。この作品は、子どもの世界で小さな子どもが犠牲になったり、消えた子ども達を巡って大人達の世界で暴動が起こったりと残忍なシーンもあるが、あり得る不安をうやむやにしたまま大人になるよりも是非読んで考えたい。
2014/07/14
まじゅ
萩尾先生、描いて下さってありがとうございます!もう、それに尽きる。女の子カワイイ、おばあちゃんカワイイ、犬がカワイイ!訪問者のシュミットもそうだけど、犬の表情が絶妙!人物の意思を感じる口の結び方も大好きだ~!あと端正なコマ割り。そのくせ動きがダイレクトに伝わる。こう動いている、じゃなくて、あそこから動いてここに至り、向こうにどのようにして移動するかまでを、たったひとコマで描き切る。ホント芸術だと思う。萩尾望都を読める幸せを噛み締めています!
2015/10/22
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