泣いた赤鬼 (絵本)
泣いた赤鬼 (絵本) / 感想・レビュー
こーた
小学生のころ、この童話を学芸会でやった。ぼくは戦隊モノの特撮と、それを真似たごっこ遊びの好きな子どもだった。だから、優しい鬼がいる、というのは少なからず衝撃だった。ああいう見た目の怪人は、悪者に決まっているからだ。劇でぼくの演じたのは、村人Bという役だった。はじめは鬼を恐れ疎んじ、鬼が優しいとわかると、手のひらを返したように鬼の家に入りびたる、あの村人たちのうちのひとりだ。子どもながらに、勝手な連中だと思った。台詞はひとつしかなかった。鬼たちの活躍を、遠くから呆然と眺める。舞台上でやったのは、⇒
2019/09/11
chimako
浦沢直樹/絵 と言うことで読んでみた。浦沢直樹といえばMASTERキートン、20世紀少年、YAWARA! 等々、大好きな漫画家。その浦沢さんがどんな赤鬼青鬼を描くのか楽しみだった。愛嬌もあり、雰囲気も良い。特に青鬼の顔が好きだ。だが、何より素晴らしいのはやはり浜田廣介さんの文章だった。今まで何度も読んできた味わいのある、温かい言葉づかい。赤鬼の立て札の文言はユーモアもある。絵本は絵に左右されがちだが、文章あっての絵本も多い。スタンダードの強みを知った。
2019/09/30
馨
友達からいただいた本です。絵本だと思い舐めていたら大人なストーリーで驚愕。ちょっとどんよりしましたが。
2013/04/10
ミエル
青鬼さんの天井知らずな優しさ、プライスレス。もちろん、ありがたい。ありがたいんだけど、どう始末を付けるのがベストなのか?犠牲の上に成り立つ優しさを与えられる赤鬼さんの苦悩、どう成仏させたらいいのかね。赤鬼サイドには暖かいけど重みのある気遣いにどう答えたらいいのか、かなりのプレッシャー。泣いてるだけじゃ終わらない答え探し、人生の深いテーマだよね。
2019/01/30
井月 奎(いづき けい)
鬼は異文化、異国、異宗教の人を暗示していると聞いたことがあります。異なるそれらを理解することは難しく、排除しようとする場合もあります。そうではなく分かり合おうとする場合、多大な努力と忍耐を必要とします。悲しみを伴うことも少なくないでしょう。理解できない人たちが努力を放棄する、そこから生まれる混沌と悲劇を回避するためにはもしかしたら青鬼のような自己犠牲を受け入れる者が必要なのかもしれません。切なくて悲しいことですが、その行為こそ国を守り、文化を豊かにして、宗教の教えが真に人のためになるのではないでしょうか。
2017/07/09
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