光年の森 (ビッグコミックススペシャル)
光年の森 (ビッグコミックススペシャル) / 感想・レビュー
マリリン
風景が持つ感情がある。...感情を語らせたい。...自然が人間に語りかけ、人間がそれに応える。...漫画は漫画であり一番大切なのは面白い事。そんな想いを持ち画作していたのか。本作は遺作。『神々の山嶺』『エヴェレスト』の2作品を読んだからこそ再読で気付いた。両作品の最後のシーンが違う経緯はお互いが望んでいた。多忙な事情を知り躊躇いつつも漫画化を依頼したが相思相愛だった事にロマンを感じ、お二人のマロリーに対する敬意が伝わってきた。『神々の山嶺』『エヴェレスト』両作品を読んで良かったと改めて思う。
2021/11/30
マリリン
漫画なのか絵本なのか、描かれた作品に宿る魂の美しさに惹かれる。遺作だったのか。しかし充分過ぎる程伝わってくるものがある。静かに佇む著者の姿を感じる。 地震により新しい山が出来た。家族が別れ別れになり山間の祖父母の元で暮らすようになった少年。人は日々の出来事をどのように消化して行き、振り返った過去はどのように見えるか。木は言葉を発するのか?聞こえる人にだけ。森に入ったら耳を澄ませてみたい。彼方のひとの声が聞こえてくるかもしれない。人は自然の中に身を晒す事で心を浄化させるのか。静かな感動があった。
2020/11/04
ぐうぐう
谷口ジローの遺作が2冊同時に刊行された。そのうちの1冊『光年の森』は、オールカラーの長編だ。全5章の構想で描き始められた本作は、しかし第1章のみが完成し、2章はネームしか描かれなかった(そのネームも本書には収録されている)。主題といい、画といい、ここには闘病の気配がない。どころか、生の熱情が迸っているように感じられる。巻末には、原作を提供したことのある3人の作家、関川夏央、久住昌之、夢枕獏が、谷口との思い出を寄せている。日本よりもフランスで評価された谷口。関川は書く。(つづく)
2017/12/08
adumin
世田谷文学館の谷口ジロー展にて購入。圧倒的な表現力と溢れる優しさ。矢張り唯一無二。不思議な動物たちとの交流、素敵なんだろうな。もっと見たかったなー。珍しく主人公がおじさんではなく少年だけど、やはりすぐ「登る」。愛らしい。
2022/01/08
fest@蔵書整理中
全5話の1話きりなのはちょっと割高、2話のネームが一部あるのみ。以前の原作者の寄稿が興味深かった。
2017/12/23
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