遥かな町へ(谷口ジローコレクション)
遥かな町へ(谷口ジローコレクション) / 感想・レビュー
たまきら
昔切ない気持ちで読んだこの本。豪華版が図書館にあって嬉しくなりました。生活に疲れた男性が、父が失踪した中二の夏にタイムスリップするお話です。大人の心を持った彼が周囲に不思議がられながらも愛される様子がまぶしいですが、こんな年にもなって女性に対する理解はこんなもんかいと改めて思ったり。…しかし戦争っていやだな、人をゆがめるもの…。
2023/04/04
ぐうぐう
「谷口ジローコレクション」で再読する『遥かな町へ』。中年男性の意識が14歳の頃の自分にタイムスリップするというありきたりの設定は、あえての凡庸さであることは明らかだ。『遥かな町へ』に限らないが、原作付きではない谷口の漫画、特に日常をベースとした作品は、まず感情があり、そこからストーリーが派生していく構造であることが多い。本作でも、主人公の心情を丁寧に画で描写することに徹していて、物語はあとから付いてきている。(つづく)
2021/12/04
くさてる
故郷の街を訪れた中年男だった主人公は、突然、14歳の自分に戻ってしまう。あの頃の街、懐かしい家族のもとでもういちど14歳をやり直すことができると知った主人公は決意する。少年の時に起きた父の失踪を止めようと。面白くて一気に読んでしまった。谷口ジローの描線で描かれる鳥取の昭和の風景は知らないはずなのに懐かしく、少年少女の心性は瑞々しい。そして父の思いがせつなく。良いラストでした。
2022/08/24
剛腕伝説
中年の主人公が故郷の町に導かれ、父が蒸発した年・35年前にタイムスリップする。少年に戻った主人公は何とか父の蒸発を食い止めようとするが・・・・。 バタフライエフェクトを思い出した。
2023/12/19
アメヲトコ
今年最後の読書は、帯にあった上井駅(現倉吉駅)の一場面に惹かれて買ったこの一冊。48歳、人生に疲れた一人の中年男性がふと故郷倉吉を訪れ、そこで突如14歳の自分にタイムスリップし、この年に失踪することになる父親に再会する……。思春期の甘酸っぱさを思い出させてくれる物語構成はもとより、倉吉を中心とした昭和中頃の風景描写も素晴らしく、読後大いに余韻が残ります。今年最後の一冊がこの本で良かった。
2021/12/31
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