瞳子 (ビッグコミックス)
瞳子 (ビッグコミックス) / 感想・レビュー
gelatin
★★★★★ 吉野朔実復習強化月間。やっぱりこの表紙と装丁ですよ。数ある吉野朔実本の中でも、デザイン質感共にこれが最高峰だと思う。内容ももちろん。内省的な主人公と、抗いがたい思春期の息苦しさ、美しいロールモデル、個性的なライバル。それから概念としての死。吉野朔実のエッセンス全て詰まっている。絵のバランスもこの頃のものが好きだ。気持ちと懐に余裕のある方はぜひ、文庫でなくこの単行本を。
2017/01/02
還暦院erk
蔵書再読。美しい装丁に丁寧な絵仕事。pp17-18、瞳子の母親が、「いつも自分は後回し」的生き方をしているうちに小さく卑俗になっちゃった、という感じで痛々しく切ない。それに気付いているらしい瞳子が妙に尊大なのもちょっとどうかと思ってしまった。高等遊民女子?pp188-189の妄想シーンは自分勝手の極みだが、つい共感してしまうわたしも相当のプー体質なのか()。でもこんな娘が家にいたらやだ。追ん出す。
2015/04/04
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冒頭で主人公が『夜になっても遊びつづけろ』を読んでいて、吉野朔実と金井美恵子両方好きなわたしは歓喜。同じ80年代サブカルチャーモラトリアムマンガでも岡崎京子とはなんか違う。たぶん岡崎京子のマンガの女の子はキングクリムゾンのライブ行かないもんね。で、吉野朔実の描く女の子はロンドンナイトには行かない。まあ要は吉野朔実は岡崎京子じゃないってだけだ(そりゃそうだ)。とにかくこういうだらだらしてる若者を描いた作品は好き。装丁もきれいで良い。
2017/04/21
ふじ
瞳子の理想の生活に共感してしまう。装幀が凝っていてすてき。
2009/12/27
つれづれ
家族、そして自分自身という存在に対する、もやもやとした気持ち。自信のなさ。先の見えなさ。その焦りや心細さの断片が描かれる。「年齢を重ねると少しずつ人生の謎は解けてきますが、だからといって不安が無くなるわけではないし、情緒が安定するわけでもありません」という作者(当時42歳)の言葉に、安心した。
2009/10/06
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