凍土の旅人 (ビッグコミックススペシャル)
凍土の旅人 (ビッグコミックススペシャル) / 感想・レビュー
buchipanda3
短編集。アラスカの金鉱探索、秋田のマタギなど自然や動物と人間の繋がりを描いた物語がジローさんらしい丁寧で真に迫った筆致で描かれており、どれも読み応え十分、良かった。アラスカを舞台にした「凍土の旅人」と「白い荒野」は、自然に対する畏怖と敬意を感じさせる。人は得てして欲望の罠にはまりやすいが、自然の厳しさを前に安易な欲望は消し去られる。「山へ」マタギの仇討ち。悲しみと希望の残し方が何とも言えない余韻を残す。「海へ還る」クジラの不思議な世界が印象深い。クジラの絵、特に終盤の描き方に見入った。
2019/10/02
阿部義彦
新年一発目のブックオフで仕留めました。同著者他2冊も。主に2003年頃ビックコミックに載せたもの。山を舞台とした、狩猟ものやジャック・ロンドンの小説を再構成したもの等。この中では『貝寄風島』が良かった、親の離婚により、夏の間に預けられた、叔父夫婦の元での体験談。子供時代の淡い恋心の行き先は?ラストでしてやられます。又昭和45年を舞台とした『松華樓』は著者を思わせる漫画家志望の青年を主人公として昭和の古き良き時代を活写していて、心に残る。自分の原風景を見せられた。
2024/01/09
南註亭
「海へ還る」を読みたいために、これまで何度も読み返しています。
2012/04/17
南註亭
谷口ジローさんの原点ともいえる「動物作品」ほかを編んだ1冊です。たんに動物を登場させるということではなく、人間と動物と自然、この関わりについて示唆してくれます。「凍土の旅人」と「白い荒野」はジャック・ロンドンに題材をとった作品。「貝寄風島」は『父の暦』に通じる少年の物語。「松華樓」は作者のデビュー以前の時期を描いたと思われる異色作。生と死を描いた「山へ」。巻末の「海へ還る」は本書の白眉というる作品で死と再生の物語。 オススメ度 ☆☆☆☆☆ 5つです。
2004/12/19
義輝仮面
【評価:★★★☆☆】 個人的に「白い荒野」が特に印象に残りました。
2017/03/03
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