ちいさこべえ (2) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
ちいさこべえ (2) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) / 感想・レビュー
yoshida
茂次の周りに起きる様々な出来事。子供達の家出、思春期の行動と対応、まさかの普請場の事件。徐々に落ち着いて来た大留だが再び揺れる。最後で覚悟を決める茂次。後押ししてくれるりつの言葉。横浜や大もそれぞれの立場で大留を考えてくれている。そこには人情がある。茂次の言葉の少なさも、ひとつの人情があると思う。無駄なコマやセリフがない。小説の行間で感じさせる事柄を、コマで感じさせる。繰返し読むに連れて味わいと良さを発見出来る作品。子供達の学校がどうなっているか気になるが、読み落としか、これから解決されるだろう。傑作。
2020/01/14
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
★★★☆そうねぇ、そうだよねぇ。原作同様、小さいのから大きいのまで壁は次々行く手を阻む。もちろん、その壁はどれも、大きさはともかくしっかり地べたから生えて、それぞれ人生を容赦無く試してくる、遠慮なんか微塵も無く問いかけてくる。さぁ、さぁ、お前の覚悟を見せろ!どうなんだ?ここまでか、お前の辛抱の限りはココか?底はそんなに浅いのか。めぐり合わせか、それが運命か。餡子みたいにずんぐり重い、この物語の真骨頂がやっと垣間見得てきた
2016/02/14
シブ吉
山本周五郎さんの原作の帯にあった「本書」の事。気になってしまい、遅ればせながら一、二巻を購入、早速読む。一巻を読み終え、周五郎さんの作品世界に浸る間もなく二巻に突入。「ちいさこべ」の云われの事。仕事の事、お金の事、子どもたちの事、主人公に立ちはだかる難関の数々。あっという間にページをめくり、続きが気になる始末。結果、久しぶりに「原作」を読み返し、またまた「周五郎熱」再燃の兆しが、、、。さて、現代の「ちいさこべえ」は、どのような結末を迎えるものか?巻末に有った三巻の予告、今から来春が愉しみな次第です。
2013/10/12
とら
物語性が生まれてきた。何となく話の本筋が見えてきたと言うべきか。そして相変わらずの絵と構成の上手さ…本当に無駄なシーン、もっと細かく言うと”コマ”が無いと思う。この、今巻で表紙に使われている絵だって、物語上ではさほど重要でも無い…セリフも無い、ただの日常の一コマなのだが、そんなシーンでも表紙に出来てしまうのだから、本当に無駄なんて無いのだ。言いすぎかもしれないが、どのコマでも表紙に使えてしまうのでは?と思ってしまう程である。いやあ、これからの展開、話のオチのつけ所が、どこになるか気になるなあ。続きに期待。
2014/09/07
ぐうぐう
不思議なことがある。この漫画は、やたらと足ばかりを描いている。これほど登場人物の足を描いた漫画もないんじゃないだろうか。これは、視点が足に向いているということだ。登場人物の、もしくは作者の目が、顔よりも足に向かっている。そう気付いて眺め直してみれば、足だけではない、手であったり、背中であったり、なかなか登場人物の顔が出てこない。でも、足や手や背が、内なる感情を語っているように思えてくる。雄弁ではないからこそ、読者の想いをそこに重ねられる。(つづく)
2013/10/08
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