機動戦士ガンダム サンダーボルト 外伝 (1) (ビッグコミックススペシャル)
機動戦士ガンダム サンダーボルト 外伝 (1) (ビッグコミックススペシャル) / 感想・レビュー
JACK
◎ 一貫して戦争の悲惨さを描いているシリーズ。この外伝でもそれは変わらない。機体が損傷して母艦に帰還できない状況で、生き残るために敵の酸素ボンベを奪おうとする「サンダーボルト放送局」、戦闘任務中に国に残してきた彼女と踊った最後の曲を思い出す「ラストダンスは君と」、負傷者を救助中の船を襲う『落武者狩り』を描く「Rescue me」、宇宙を漂流しているザクマシンガンに辿り着いた男が救助してもらうためにした事を描く「レナードの帰還」を収録。星野之宣さんのSF短編集「2001夜物語」を思い出しました。
2016/07/11
はるを
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎。この太田垣康男氏って何者なのだろうか。いつも思うのが「機動戦士ガンダム」という作品と氏自身との「距離感」の絶妙さ。これまでの所謂「機動戦士ガンダム」のアナザーストーリー漫画は独りよがりになるか、ガンダムマニアだけがついてこられるような、雑誌「ガンダムA」でしか成立出来ないような作品に偏るのだが、この太田垣康男氏は見事「スペリオール」というおよそ「機動戦士ガンダム」とは全く縁遠い雑誌で「機動戦士ガンダム」を成立させた稀有な存在だと思う。
2016/06/29
GM職員
大ヒット硬派ガンダムマンガ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』のサイドストーリー第1集。生み出されたばかりのデブリが漂う戦場の片隅で、ほんの少し前まで殺し合う間柄だったとしても、生きる意志と人としての良心を忘れない人々の物語4編を収録。MSを巧みに操り敵機を撃墜するのはわかりやすい強さだが、優しさが命取りとなる戦場にあってなお理想と良心を貫くこともまた人の心の強さ。ジオン兵を見殺しにできなかった連邦兵も、救助隊に使命を見出だしたジオン兵も、語られることのない英雄として読者の記憶に刻み込まれる。
2023/04/26
よっち
サンダーボルトと地続き感のあるサイドストーリー的外伝といったところですか。戦争前の死亡フラグを乗り越えた話とか、何より無差別落ち武者狩りをするGMキャノンと敵味方なく救うレスキュー隊の攻防にはグッと来るものがありました。
2017/09/25
トラシショウ。
積読消化。一年戦争に明け暮れる宇宙世紀。イオとダリルが激闘を繰り広げた暗礁地域以外の様々な場所での、人型機動兵器による戦争が生み出す、名も無き兵士達のドラマを描く連作短編。本編との最大の違いはモビルスーツ、ザクやジム、ジムキャノン、ボールは勿論ザク用の無反動マシンガン(!)に至るまでのメカニックの大半がプロモデラーによる実際のプラモデルを用いている事。明確な主役を排した事でそれぞれのエピソードが濃密なドラマ性を獲得しており、また短編、中編等の個々のボリュームも程よく描かれている秀作(以下コメ欄に余談)。
2016/09/30
感想・レビューをもっと見る