カムイ伝全集 第一部 (1) (ビッグコミックススペシャル)
カムイ伝全集 第一部 (1) (ビッグコミックススペシャル) / 感想・レビュー
AICHAN
図書館本。「もし皆さんが人間としての正当な要求を無視され、圧し潰されてしまったとしたら、どのように憤慨し、かつ悲しむことだろう!! 今日、人間社会は高度に成長し、いよいよ人々にとって生活は喜びとならなければならないはずであるのに、事実は逆である」。この壮大な物語で作者・白戸三平が描きたかったのはこれだろう。『カムイ伝』はかなり古い時代に描かれたものだが、当時でさえ日本社会のいびつさは感じられたのだ。報道統制され貧富の差が拡大した今の日本社会を見て白戸さんは「どうして人間は愚かなのか!!」と嘆いているだろう
2016/06/21
出世八五郎
著名で読みたかった作品。【第一部全15巻、第二部全12巻、外伝全11巻】取り合えず読み始める。調べてみると本書は、第一部終了の1971年頃から読者が激減。70年安保と全共闘運動の終焉とともにブーム終焉。あの時代は日本暗黒大悪魔という認識の時代だったと聞く。それを警戒するが素直な気持ちで読もうと思う。私が警戒するのはイデオロギーによる執筆により、嘘を真実として主張する輩がいるから。この巻ではカムイは未だ少年。表紙は白い狼です。
2016/01/13
gtn
自然界の弱肉強食と、人間の身分階級を対比させ、両者は同じではないと述べる著者。頂点に位置する者が、他を統治するための恣意的な産物。見た目は変わらない、同じ血が流れるものを差別するというのが、人間、特に日本人のいやらしさ。
2024/04/26
さっちも
左翼系の絵描きの父をもつ白土三平。差別と貧困の連鎖を断ち切り、人間が人間としての尊厳を勝ち取るためのストーリーなのかな。本当に面白い。現代は与えられた尊厳にあぐらをかき、大事なものを失いかけている気がするが。
2022/08/18
樋口佳之
数十年ぶりの再読。かつては強烈な史観にだけ魅せられた記憶なんだけど、今回は違う読み方がおこる予感。次巻へ。
2016/12/09
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