ねじ式 (小学館文庫)
ねじ式 (小学館文庫) / 感想・レビュー
遠い日
何十年ぶりかの再読。若い頃はこういうのを読んで「わかる」と思わなきゃという気負いがあったけれど、今は単純な感想で自分に納得できる。奇妙な話ではあるけれど、のめり込むほどの興味は薄れた。いや単にわたしがいい加減になっただけか。
2020/05/23
yk
やっと読んだ。今ぐらいの歳になって読んでちょうどよかったのかもしれないな。こりゃあんまり若い時に読んでも、よくわからなかっただけで終わってしまいそうだ。こういう不思議な感じもやっとおもしろいと思えるようになってきた。"ねじ式"はあとがきにあったとおり夢の中の、つながってんだかつながってないんだかわからないフワフワな感じでおもしろかった。
2021/03/28
くろすけ
つげ義春が1937年生まれで、掲載作品の殆どが68年のもの。「ねじ式」の、ある場面の背景に軍艦が描かれ、他の作品では朝鮮戦争特需が描かれている。解説の佐藤忠男さんが「歴史の貴重な証言」と言っているが、時代を感じる描写が多い。まだ発展途上の日本の貧しい庶民の日常が描かれている(町工場の住み込みの子供が硫酸の入った瓶を割り大火傷…とか)。あとがきでは「ねじ式」が作者の見た夢がもとになっていて、芸術作品と評されることに作者自身は冷笑的だったようだ。この不気味さとエロとユーモラスの味わいに、私は惹かれる。
2021/08/21
09z1!
実家の書棚から持ち帰る。帰路車中で堪能。 庶民の生活臭、幻想的な温泉や海浜のさびれた町、独特のエロスなど、純文学の短編集のような読後感。 1960年代がごく近い昭和51年と奥書を確かめて、自身の年齢を確認したら、中学生だった。 2冊目の紅い花はNHKが映像化した作品が多く、ねじ式以上に郷愁の趣が漂っている。
2021/10/19
toshokan-no-hito
再読。中学生の時に買った本をいまだに持っている。「ねじ式」…田舎の中学生にとって衝撃以外のなにものでもなかった。「沼」「チーコ」「噂の武士」「オンドル小屋」、、、なんと多種多様な物語!そして「ゲンセンカン主人」の衝撃とエロティシズム。つげ義春的世界に魅せられたきっかけとなった一冊。つげ義春的世界は不滅だ。
2016/06/25
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