エキセントリクス (2) (小学館文庫 よE 8)
エキセントリクス (2) (小学館文庫 よE 8) / 感想・レビュー
ちぇしゃ
再読。わたくしは吉野朔実は天才だと確信してて、中でもこの作品は傑作中の傑作。人の記憶と自我、その歪み、ダブルバインドや母性による排他的な愛情の恐怖を実にさらっと描いてる。読了すると長編映画を堪能したような印象が残る。少女マンガ的な設定の中で、これほどの要素を過不足なく描き切れるって本当にすごい。登場人物をユングのタイプ論で考えると、この作品の深い深いダブルバインドが浮き上がってくる。作品の最後の主人公千寿の独白、自身にも重なるところがあって何度読んでも泣いてしまう。繰り返し繰り返し読みたい名作、オススメ!
2017/06/09
還暦院erk
長い髪、華奢な体型、文学的素養は有るが世間知はいまいち、進学校またはお嬢様学校で成績上位、奥手なようでいて性的に少し危なっかしい、基本的にモテモテ、立ち居振る舞いはどちらかというとトロい…吉野作品におけるヒロインの特徴は大体こんなところだろうか。副主人公の少女は短髪で生命力が強そう、やや気が強い又は性格的にクセがある、言動がきびきびしている、モテないわけではないがヒロインほどちやほやされることは無い。あと、電車や高所からの飛び降り、鋭利な刃物&血しぶきってなモチーフ多いなぁ。
2017/10/12
還暦院erk
蔵書再読。初読の理解はゼロ同然?今回もラストのあれがどうなのか自信なくてネットのサイトで「答え合わせ的解説」を検索して熟読してしまった。で、何とか…今回は理解してたらしいわたし。ふう。吉野朔実さんは漫画家としてネームよりも「絵」「構図」に語らせる部分が多いと再認識。スマホで隙間時間にパパッと読むという類いの絵で無いのは確かだ…逆に現代の「よくある」漫画はネームと大ゴマでパパッとわかる範囲の物事しか描いていないのかも知れないなぁなんて思ったりして。
2022/04/04
コリエル
再チャレンジの結果はやっぱり敗北かな…。ラストで意外な場面で意外な人物から「すべては君の望んだこと」という言葉が千寿にぶつけられるのだけれど、この言葉を拡大解釈すれば全部千寿の妄想だったという気すらしてくる。最後に生まれたおそらくは千寿の(もしかしたら比良坂さんと日周さんの子供?)で締めくくられる部分を見れば親と子の関係性の物語だったのかとも思うし、やっぱり難解だった。誰かに解説してほしい。
2016/04/10
読み人知らず
すごく余韻の残る終わり方。怖い話でした。でも大好きだ。教祖様のくだりがいちばんドキドキしたなあ
2015/04/01
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