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グールドを聴きながら (小学館文庫)

グールドを聴きながら (小学館文庫)

グールドを聴きながら (小学館文庫)

作家
吉野朔実
出版社
小学館
発売日
2006-01-14
ISBN
9784091915375
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グールドを聴きながら (小学館文庫) / 感想・レビュー

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天の川

吉野朔美の本が好きだ。「グールドを聴きながら」をはじめとした8編。ドロドロの人間ドラマになりそうな筋書きも、吉野朔美にかかるとちょっとエキセントリックな詩を感じさせる世界に変わる。不安定な感情を持て余す彼女たちも、やがては生きることに慣れていくのだろうか。

2018/07/11

うめ

シードが一番好き。あなたにどんな過去があったって構わない。そんな罪も何もかもひっくるめて、あなたが好き。過去のすべての出来事、もしも一つでも欠けていたらあなたはここに居なくて、私とも出逢ってなんていない。あなたが過去に何度も傷つけられると言うのなら、私はそんなあなたを何度だって、過去から守る。私はその為に、あなたに辿り着いたのだから。それに、あなただけじゃない、私の幸せだって、あなたそのものなんだから。

2015/02/24

jamko

‪吉野朔実は十代で通っておらず大人になって『少年は〜』を読んだ程度なのだけどこの短編集のタイトルを最近TLで見かけて購入。どの短編もシンプルながらも要約はできない奥行きがあって素晴らしいなぁ。多くの女子にとっての初恋は、早熟で完璧に見える同性への憧れと焦燥が入り混じったものではないか、と自分の体験も踏まえ感じ入った表題作。海辺を背景に愛情と気遣いが行き交う『ドライアイス』も完璧すぎてため息が出る。ベルンハルトの書名もちらりと。吉野さん本の雑誌で連載もされてたよね。そっちも読みたい。

2018/08/21

kokekko

書店の遺作フェアで手に取った。まだ死んでいい年齢じゃないよ……! と思いながら読む。ありていな方向へは進まない、強靭で強烈だけど飄々として魅力的な登場人物たちがたくさんいる短編集。いい、わるい、の世界ではなくて、こういうのもあるのよ、楽じゃないけどね、という世界を提示してくれる人だった。これからも読み返しそうです。感謝。

2016/07/22

nightowl

一時の狂気のような繊細な感情を描く前半から(なんとなくしりとりのように次の作品と繋がっているのが面白い)、後半に行くほど詩的なイメージが先行した作品が増えてくる。「栗林かなえの犯罪」に登場する男は妙に嫌なリアリティがあってこうした人物像も描くのだと意外だった。

2008/12/27

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