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瞳子 (小学館文庫)

瞳子 (小学館文庫)

瞳子 (小学館文庫)

作家
吉野朔実
出版社
小学館
発売日
2006-03-15
ISBN
9784091915382
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瞳子 (小学館文庫) / 感想・レビュー

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天の川

モラトリアム人間の瞳子の日々。感受性が強くて、周囲とうまくなじめない彼女が接触する人の数はとても少ない。家族、二人の男友達、そして新たにアルバイト先…不機嫌だけれど上機嫌。近しい人でも新しい発見はある。瞳子がモラトリアムの時期を終え、踏み出す時期は近いのかもしれない。「人はその人にふさわしい人生を生きる。必要のない能力は開発されない。」という森澤の言葉が印象的。森澤と天王台、二人の男友達とフラットな関係で日々を過ごす瞳子が少し羨ましい。

2016/08/30

あか

我が家にも働かず好きなことをして、親に衣食住を提供してもらってるのがいるので姉や母親に共感してしまった。瞳子の生活は羨ましいけど家族にとっては迷惑…。親に食事作ってもらいながら、食事中本を読んで叱られると残して退散。言うことは一人前だけど結局は甘えたな瞳子。でも途中で瞳子は身体だけ大人になった心は少女だと気付いた。その瞬間瞳子の言動に共感。私も昔は瞳子のような子供でした。これから彼女は不器用に模索して生きていくんだろうな。彼女はいつか大人になれる日がくるんだろうか。

2009/11/12

文庫版が買えて嬉しい。併録された2篇の短編もとても良かった。「ぼくはもう犬なんかいらない/言おうとしてぼくは/犬の臭いのする雨の中で/泣きつづけた」。

2021/04/05

猫森

初読は何とも思わない、どちらかというと「つまらない」だったが、年をおいてからじわじわと読みたくなって(つまりそれだけ内容をよく覚えていたわけだ)買い直した。レコード時代のレトロさがないので、その辺りは上手く描けていないとは思うが、それ以外は今回はすんなり腑に落ちた。◎

2015/06/30

k_samukawa

非常に素晴らしい作品でした。時代特有の空気を下敷きに、個性を形成しつつも社会との距離感に悩み、生活基盤を自前で用意できない青年期の懊悩が瑞々しい筆致で描かれた傑作。細かな考証が所々ひっかかる(葬式で般若心経は唱えないのでは?)のが惜しいですが、読むべき作品であることは変わらない。

2010/07/17

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