カリフォルニア物語 文庫版 コミック 全4巻完結セット (小学館文庫)
カリフォルニア物語 文庫版 コミック 全4巻完結セット (小学館文庫) / 感想・レビュー
おさむ
あの吉田秋生が20歳の時に書いたとされる名作で、粗さの中に才能を感じさせます。当時の日本にとっては憧れの土地だった米国の暗部を徹底的にあぶり出した作品とも言えます。「エデンの東」や「カインとアベル」のように、兄弟の確執や家族の衝突が主題。思春期の少年が厳しい環境の中で、大人に成長するビルドゥングス・ロマンでもあります。1970年代のアメリカンニューシネマの影響が色濃く、全編に救いようもない暗さが漂う。「少女漫画」というカテゴリーにはくくりきれない作品で、小説を読んだような印象です。
2017/06/04
たまこ
大昔に読んだのを急に再読したくなり購入。改めて読んで、30年以上も前に20歳そこそこの作家が描いたものだったと思うと絶句。親や兄弟との軋轢、ドラッグ、ゲイ、身近な人の死、人種、貧困と重い要素がちりばめられながらも全体を振り返ればどこか切なく苦しくも輝いて見えるのは若者の葛藤や成長を描いた青春物語だからか。背伸びした気分でこの作品を読んでいた自分の遠い青春時代もついでに思い出して感無量になった。
2014/12/06
Nobuko
古内一絵さんが影響を受けたと書いていたので読んでみた。吉田さん20歳のころに書いたとか! 海街とは別世界だけどなかなか面白かった
2019/03/07
Mei Murakami
近頃吉田秋生氏に魅せられている。海街ダイアリー、吉祥天女、そしてカリフォルニア物語。どれも全く異なる世界を描いているのに、彼女の作品に通底する静けさが好きだ。他の少女漫画では重要な出来事として捉えられる恋愛やセックスが、彼女の作品ではとても淡白だ。自分とは正反対のその淡白さを、読むたびに噛み締め憧れている。どんな悲しいことも大変なことも、平常心を失わなければ時と友にどうにか和解してゆくことができるのかもしれない。そんな気にさえなる。自分の成長を振り返りながら読み続けたい。
2015/03/13
ノビコ
若い時に読んでいたら、きっとアメリカかぶれになってたと思う。
2022/04/16
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