ねじ式 (1) (小学館文庫 つA 1)
ねじ式 (1) (小学館文庫 つA 1) / 感想・レビュー
アナーキー靴下
この本を購入したのは20年ほど前だろうか。PCゲームの「ねじ式」をプレイしたことがあるというツワモノの話を聞いたとき、私がこの本を既読であったかどうかの記憶は曖昧だが、いずれにせよその頃に何度も読み返したのは間違いない。何度読んでもわからない世界だった。時が過ぎ、私も様々な経験をし、そろそろこの漫画を理解できるのではないだろうかと期待して読むも太刀打ちできない。しかしわけわからんところがやはり良い。さらにわけわからんであろうPCゲーム版とか、本当に羨ましかったな。表題作以外だと「ヨシボーの犯罪」が好き。
2021/07/06
肉尊
ノスタルジックで退廃的、官能的な世界観が凝縮された異色の漫画。噂に違わず、インパクトの強い短編集だった。「ゲンセンカン主人」はドッペルゲンガーを見ると死ぬ意味を教えてくれる。それは自分とウリ二つの存在を確認することで、自分との差異が確かめられ、自分にないものに対する羨望から、自らの存在を否定せざるを得ない「超越的な他者の存在」なのだろう。この作品は理性では割り切れない解釈の幅がある。それが何度も読み返したくなる一種の中毒性をもたらすのだろう。
2022/12/24
GaGa
現実逃避をしたいのか(笑)久しぶりに読む。「チーコ」なんかも好きだがやはり圧巻なのは「ねじ式」ぐいぐいと異世界へ引きずり込まれていく様子はどうにも眩暈すら感じるくらい。漫画で表現された芸術作品ではないかと思う。つげ氏の頭の中は一体どのような構図なのだろうか。
2012/10/22
ハイカラ
夢の如き世界や人間の寂しげな暮らしが描かれている短編漫画集。巻末エッセイにあった「闇だらけで真っ暗な中にも、必ず光はある」という言葉になるほどと思わされた。話の中では『ねじ式』『山椒魚』『ゲンセンカン主人』『ヨシボーの犯罪』が特に面白かった。
2016/03/09
たかしくん。
友人から勧められて、初「つげ義春」です。全14作を通して感じられる、シュールかつナンセンスな雰囲気が、否応なしに迫ってきます。私のお気に入りは以下の4作品。「ねじ式」:そのアングラ感満載のストーリー展開はまさになんじゃこりゃ?の世界。「チーコ」:最後の場面はしんみりとします。「大場電気鍍金工業所」:町工場と硫酸、そして、こちらは何とも救われないエンディング。「ヨシボーの犯罪」:不気味としか言いようのない出だしが・・・。
2014/10/20
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