忍者武芸帳(影丸伝) (2) (小学館文庫 しB 42)
忍者武芸帳(影丸伝) (2) (小学館文庫 しB 42) / 感想・レビュー
しんすけ
表向きには忍法や武道の技法を扱いドラマが展開していく。しかしこのシリーズが1960年代前半に興味を抱かせたのは、背景の民衆の生態であろう。 一揆が拡大していく16世紀半ばが背景になっている。ここでは主として馬喰の一揆が取り上げられている。 明治時代には車引きが車会党なる組織を作って団結したこともあった。現代ならJRや私鉄そしてタクシーの運転手が反乱を起こすようなものだろうが、期待できない夢物語だ。
2020/10/01
Hiroki Nishizumi
深読みしなくては分からないところが多い。ストーリーは割と古典的。と、感じる一方で少々ご都合主義も見え隠れするな。古武道の漢字や読みが現在使われているものと違い、時代背景の差を感じる。
2014/01/01
ミスター
重厚なストーリーとジャンプカットで表現される洒脱なアクションシーン。マルクス主義がテーマと喧しいけど、それは黒子に過ぎず本質はそれによって、宿命としての死になす術なく回収されていくキャラクターの生き様なのではあるまいか。かなり先進的な作品で、どうにも当時どう受け取られていたのか気になる。
2017/03/31
ra0_0in
能力者バトル漫画の元祖は、ほぼ間違いなく横山光輝『伊賀の影丸』と、その原作の山田風太郎『忍法帳』シリーズだろう。白土と山田の影響関係は気になるところだが、白土『甲賀武芸帳』が57年、山田『甲賀忍法帖』が58年で若干、白土が早い。しかし59年開始の本作『忍者武芸帳』でも異能者や剣の達人が次々と登場して、山田作品からの影響がゼロとは言い切れない。とはいえ『武芸帳』を読み進めると、白土の主眼がそうした異能者同士の闘いや「仇討」といったエンターテイメントとはまったく異なる位置にあることが次第に明らかになってくる。
2013/08/16
狂人29号
重太郎の剣命に、上泉伊勢守、塚原卜伝、林崎甚助、柳生宗巌などの剣豪が重なる。 時代の寵児、織田信長と、宰相、明智光秀が、意外な形で登場し、物語は、風雲火急を告げる。 落城。影丸の死?
2014/06/08
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