鉄コン筋クリート (2) (小学館文庫 まC 6)
鉄コン筋クリート (2) (小学館文庫 まC 6) / 感想・レビュー
ちくわ村長
本当は分かってるんだ。どんなに悪ぶっても、口では強がり言えても、それじゃあダメだってことぐらい。そして本当は分かってるから他人に指摘されたくないということも。深い闇の中で、人として生きようとする心が魂が、もがき苦しみ、ずしりと痛む。人としての他者を愛おしく思う本能ゆえに、悪にもなりきれない。人間にしかない苦しみがそこにはあるんだよね。
2013/01/19
MIEKKO
大人が諦めてしまった町を「おれのまち」と言い張る、自分の子供らしさに気が付いていないクロが痛々しい。自分の無力を受け入れいているシロとは対照的。
2013/03/30
kasukade
ヤクザである鈴木の「もうこの町は終わりだ」という場面に哀愁とデパートやレジャー施設に追いやられつつもそこで生きる人の苦悩が垣間見えます。それはヤクザでさえ幅を効かせることが出来ないほど巨大な存在であり流れであることが今までのように仕事が出来ない鈴木の生きにくさからみえてきます。鈴木もまたクロと同じく宝町を愛しているのですがもうクロほどの威勢をはれるほど若くない、ただ町が変わっていくのを見てることしかできない淋しさと不甲斐なさに自分で自分を笑うしか出来ない鈴木がなんてこの世界では人間らしいんだろう。
2013/03/26
かずま
むしろクロのほうがシロに守られている。「肝冷やしたぜ。マッタク。信仰に走りたい気分だよ、チクショー。」「もっとゆっくりなら、シロとっても幸せな気持ちなのに。」
2024/05/16
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