カムイ伝 1 誕生の巻 (小学館叢書)
カムイ伝 1 誕生の巻 (小学館叢書) / 感想・レビュー
さえきかずひこ
1965年に刊行された『カムイ伝』第1巻は、17世紀の日本が舞台だ。単にカムイが生まれた非人の世界を描くだけではなく、人間の背景にある自然、そして自然の中に生きるオオカミに代表される動物たち、非人の上で苦しむ下人、そして百姓のなかにもある格差、武士たち支配階級の動きなどが、重層的に描かれるドラマの入り口であり、壮大な物語の始まりを感じさせる。ところどころトレス絵かと思われる線の乱れがあるのは残念で気になるところだが、この巻ではオオカミたちの生きるいとなみと闘争を描くところで興に乗っているのが伝わってくる。
2019/04/20
ミーナ
非人の子カムイ、農民の子正助、武士の子竜之進。苛酷な封建社会での三人の行き様- 『私が好きなのは小説』と思っていたけれど、好きなのは小説ではなく物語と気付いた。ライトな小説より重い漫画。人間たちと対比するように野生動物の生活が描かれている。身分制度や掟など、どうにもならないものにがんじがらめになってそれでも生きていくより、動物のほうが幸せかもしれない
2018/04/30
uran
白土三平さんが亡くなられ読んでみようと図書館で借りて来た。あれ、こんな話だっけ?アニメでやってたのは「カムイ外伝」だったか。「忍びが通る獣道〜」今でも主題歌歌える…。厳しい話だなぁ。2巻も予約入れたけれど読む気力があるかしら。
2021/11/02
阿輸迦
マルクス史観を感じる。1964年連載開始。作者白土三平の父親はプロレタリア画家の岡本唐貴。武士に差別される農民が、非人を差別する。自分たちが武士にされるのと同じ様に。ベタな表現だけど、差別の根深さを感じる。
2013/12/02
まさ影
数年ぶりに再読
2008/12/11
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