五十嵐大介画集・海獣とタマシイ (原画集・イラストブック)
五十嵐大介画集・海獣とタマシイ (原画集・イラストブック) / 感想・レビュー
ぐうぐう
対談の中で松本大洋は、五十嵐大介は藪から棒に出てきた印象があると発言している。それは松本も認めるように、五十嵐が誰からの影響も受けていない、オリジナルな画風であることが大きい。それを受け、癖のない絵を目指したと答える五十嵐は、杉浦日向子が好きだと言う。これには大いに頷かされた。自然描写も、キャラクターも、そしてテーマも、それに対する愛情と理解があってこそ、あの圧倒的な画があるのだなと、痛感させられる。
2012/08/17
allite510@Lamb & Wool
絵が素晴らしいのはもちろんだが、とりわけ冒険家石川直樹との対談が良かった。対談相手の多くが「レイヤー」という言葉を使っていたのが印象的。五十嵐大介の漫画では、「解釈のレイヤー」が複数同時に存在していることがしきりに意識させられる。これは恐ろしいことに一枚絵でもそうなのだ。そして人間は複数の解釈レイヤーを同時に持つべきだなどということは言わない。それによる豊かな世界を描くだけ。格好いいよな。
2018/07/13
よしだ
私の大好きな漫画家さんの一人である。2冊の本がひとつになっていて一冊目が画集で、二冊目が対談と読みきり(描き下ろし含む)という構成。海獣の子供5巻より前にこれを手にしたので、全5巻読んでから再び目を通したいと思う。私にとって大切な一冊になりそうだ。
2012/07/28
ナナシ
作品に蓮をモチーフにしたものが幾つかある。他の物を照らし合わせても、全て蓮で睡蓮ではなかったというのが気になった。只単に蓮を偏愛しているのか、行動範囲内にあったのが蓮だけなのか。それはそうとして、ヤマイヌ(変換出来ない)が相変わらず素晴らしく良かった!!!空飛び魂などで喚んだと思うが、あちらもカラーだったか?とにかく、詩が良い。全部諳んじれる位。買って良い作品だった。
2012/08/11
紅独歩
二冊分冊になっていて、片方は画集、もう片方は漫画のコンテやカラーページを交えたインタビュー集になっている。圧巻の画力が楽しめるのは勿論だが、寡黙な印象の作者の内面をのぞけるインタビューがそれ以上に興味深い。「漫画家で一番好きなのは杉浦日向子さん」「人間はまったく描かなくて、もっぱら999とかヤマト/子供の頃の落書き」「人物をアシさんに描いてもらいたい」等々、以前から五十嵐作品のキャラ造形に違和感を感じていた私にとって、ナットクの言葉がズラリ。『世界』を描きたいのだ、この人は。
2012/08/15
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