戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり
戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり / 感想・レビュー
ケイ
日野原先生は、たゆまぬ努力をされてきた。京大医学部時代には勉強しすぎで結核を発症。完治するもそのことにより戦場に行くことはなかった。大学院時代に聖路加病院に。常に向学心を持ち、よりよい医療について考え実践してきた。聖路加は、アメリカからの宣教医師が1902年に聖ルカ病院として設立。昭和初めにはアメリカの手により立派な大病院に。そのために空襲を逃れ、沢山の怪我人が集まった。戦後はGHQ管理の病院に。聖路加は近くの土地の別建物に移る。返還は、1956年。今の経営危機はなんとかされるべきだと痛感した。
2017/08/12
ケイ
再読。サリン事件の時に聖路加病院の日野原先生のことを知り、それ以来最も尊敬する方の一人。病院とは、いざと慣れば野戦病院の如くに緊急対応するものだと身をもって示された。このような方や病院が近いうちに必要となるだろうが、もう難しいだろう。そんなことを思いながら、先生の語りに耳を傾けた。
2020/03/27
Aya Murakami
地元図書館の戦争・平和特集棚。 セイジカ…ではなくセイルカと読む…と本書で改めて知る。そういえばルカが医者だったというのはダンブラウン原作映画「天使と悪魔」で紹介されていたなぁ。 人食いバクテリア・結核のおかげで兵隊にとられずにすんだというのは不幸中の幸い。有名な玉音放送で喜んだというのも作者さんの優しい人柄を表している。ただ許すというのは簡単なようでいて大変苦しい行いと思われる。何でもかんでも許していては犯罪者がはびこる世の中になってしまう。
2023/07/29
ゆうゆうpanda
104歳の医師が戦争といのちについて書いた本。それだけでも既に恩寵ではないか。亡くなった伯母が聖路加病院で看護師をしていた。日野原氏の語る病院の歴史に伯母の面影を探して読み、感慨深かった。キリスト教の精神に基づいて建てられた病院は思想の変化の最前線に立たされ、時代に翻弄される。建物が守られたことによって助かった命も多いのに、医師は失ったいのちの方を心に留める。戦争の理不尽さ悲惨さを後世に伝える意志の強さ。目の前にあるいのちだけでなく、明日そして未来に生まれるべきいのちを守る…医師の使命感が心に迫ってきた。
2015/10/10
馨
児童書。でも結構児童の年代には難しいかもしれません。開戦時、聖路加国際病院に内科医として勤務された著者は今年104歳。戦争中医者として救いたかったたくさんの命、だけどほとんど救えなかったこと、敗戦を経験し、今の我々に戦争の愚かさと他人を思いやる心を持つ大切さを訴えています。
2015/10/04
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