北越雪譜 (地球人ライブラリー 35)
北越雪譜 (地球人ライブラリー 35) / 感想・レビュー
森香
江戸時代半ば、東北地方の経済的地位が上昇し、それに伴って当地の文化に注目が高まっていく。その時流に乗って越後の豪商が雪国の風俗を紹介した本。屋根の水漏れが氷柱になる話や熊の狩り方の話などがいきいきと紹介され、面白い。川端康成の「雪国」に登場する「胎内くぐり」がどういうものなのかこの本でよくわかった。今みたいに簡単に旅行ができない時代、この本が大ヒットするのは当然だ。
2015/02/02
印度 洋一郎
岩波の原文版がとっつき難いもんで、現代語訳版を読む。訳者の志向で、山東京山の加筆分(約1/3)が削除されているが、流石に読み易い。作者が繰り返し大雪の猛威を語り、その度に書いてある「温かい国の人はわからないだろうけど」という嘆きは、今も変わらぬ雪国の人間の偽らざる気持ちだと思う。色々なエピソードの中で一番興味深いのは、やっぱり「異獣」。どう考えても今でいう雪男だが、日本各地に目撃談があるらしい。どの目撃例でも、おにぎりをあげると恩返ししてくれるという。その他、遭難して熊に助けられた男の話も不思議だ。
2010/12/04
はにゅ
近世の雪国の暮らしの記録ですね。読みやすく、面白い。雪の結晶スケッチで有名ですけど、意外とそれ以外のことにも幅広くかかれてます。
2007/04/01
みかちゃん
郷土の本を読みたくて買いました。もう少しボリュームがあっても良かったと思う。
2011/06/15
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