KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

ひかり生まれるところ (創作児童読物)

ひかり生まれるところ (創作児童読物)

ひかり生まれるところ (創作児童読物)

作家
まはら三桃
出版社
小学館
発売日
2016-10-27
ISBN
9784092897526
amazonで購入する

ひかり生まれるところ (創作児童読物) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

あすなろ

様々な神に対して、人は謙虚でなければならない。それが神道の考えの基本。そして祖母は言う。自分を変えてくれたものに、恩返しをしなさい、と。僕はあの、張り詰めた一定の緊張感ある神社が好きだ。この作品は、そうした面を満たしてくれる。お仕事小説面もあれば、考え方の面、神社で行われる行事の面。考えれば、図書館のYAたる分類の作品を読んだのも初めてである。なかなかな秀作と思った。

2017/02/06

mocha

身近なようで意外と知らない神社という「職場」について興味深く読んだ。まはら作品ではいつもお年寄りがかっこいいのだが、今作も祖母と宮司さんの含蓄ある言葉と包容力が良い。ただ、思わせぶりなキャラクターやスピリチュアルな雰囲気が、踏み込まずにさらっと流されていて物足りない。希美も長年に渡ってうじうじしてるのに、あっさり立ち直っているのがよくわからなかった。「創作児童読物」というシリーズ名はそろそろなんとかしてほしい。

2017/03/20

chimako

裏表紙、袖、栞は神職の普段着の袴の色。自分にとっては馴染み深い浅葱色。宮司だった父の白い着物と浅葱色の袴はいつも父の部屋の衣紋掛けにかかっていた。主人公は女性神職の希美。物語は今の彼女と、その成長と躓きを交互に描く。中学校のある日、蝿の死骸の入ったパン袋が机に入っていた。希美の前にいじめの標的にされていたみさきの机に思わず押し込んでしまう。それを見られた希美は学校に通えなくなってしまった。約一年後祖母に連れられて参拝した神社が希美の未来に光をあてる。神社の四季折々の行事を絡めながら希美の心も緩んでいく。

2017/02/07

ゆみねこ

憧れていた神職になって4年の希美。生真面目な彼女が中学生時代にやってしまった失敗。過去を振り返り、今いる場所で真剣に頑張りそれを乗り越えてゆく。あまり良く知らない神社の仕事のことや、愉快なネルーさんとのやりとりなど、まはらさんの描く物語はいつも優しい。

2017/03/01

ぶんこ

中学生時代に負った心の傷から引きこもりになった希美を救ったのは、祖母と神社でした。希望通り神官になった希美が、真摯に権禰宜の仕事に取り組む様子が爽やかでした。神官の仕事がこんなにも大変だったとは思いもしませんでした。誰の心にも「魔」があり、常に巣食っているが、心身が弱った時に暴れ出すというたとえが分かり易かったです。もうすぐ大晦日。お隣の街の神社とお寺の両方にお参りに行きたくなりました。日本人に生まれて良かったと思える八百万信仰。小さな神様に感謝したくなる本でした。

2016/12/29

感想・レビューをもっと見る