ティムール国のゾウ使い
ティムール国のゾウ使い / 感想・レビュー
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
戦争と略奪を繰り返し、ひとつの場所に留まることをよしとしないティムール国の民。彼らは定住する者をタジクと呼び蔑んでいた。ある日、ティムール国の少年戦士ラスティが出会ったのは、カヴィというゾウ使いの少年で・・。一言で言えばラスティと奴隷となったカヴィとの友情物語ですが、どちらかと言えば最初はラスティが一方的にカヴィのことを友達だと思っているような感じでした。それはやはり主人と奴隷という二人が置かれた立場の違いからだとしか言いようがありませんが、それが何ともやりきれない。自由とは何か考えさせられました。★★★
2012/02/25
頼ちゃん
世界史で習ったティムール国。舞台にしたお話は初めて読みました。遊牧民の生活、定住民との対立、支配するものとされるもの。中々興味深かったです。多くは語らないカヴイの内面ももう少し知りたかった。これからも多くの困難を自分の力で乗り越えていかなければならない2人の少年、幸せになってほしい。
2016/01/24
くろねこ
表紙はもう少し大人っぽくてもいいのかな? 憎しみと友情に翻弄されながらも、強くしぶとく生きるカヴィー。自らの価値観を培い、自分の道を進むようになるラスティ。ふたりの少年と映像のような草原や砂漠が印象深いです。時折訪れる象の癒しに、こちらまで癒されました。最後のラスティの結婚生活が少し悲しげだったのが気にかかります。幸せになって欲しいな。
2011/02/18
Kyoma2nd
読後の溜息は満足感と安堵。遊牧民少年戦士の激動する運命を描いた作品で、児童書の欄にしては濃い内容だったと思う。一人の少年戦士が初めて戦に挑み、定住民を蔑み、主を敬い。その中で出会ったゾウ使いの少年。言葉の違い、感情の食い違い。でも次第に友情を育む二人。恐れていたゾウとの触れ合い。年代記作者とチェス、動き出す感情。次から次にページを捲ってしまう話だった。全体的に伝わってくるその場の匂いが印象的。
2010/05/23
septiembre
かわいい表紙に似合わず読み応えのある話し。略奪をする側された側の少年ふたりの心情や友情が良かった。
2010/05/07
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