サド復活 (P+D BOOKS)
サド復活 (P+D BOOKS) / 感想・レビュー
青蓮
サド文学についての評論集。がっつりサド文学について様々な文献を引用しながら語られています。正直、私には難解すぎて何がなにやら……という感じでしたが、表題作「サド復活」のサド公爵の評伝は非常に興味深く読みました。サド公爵についてあまりよく知らなかったので、かなり勉強になりました。サド文学と言うと過激な表現ばかりに目が行ってしまうけれど、実はその根底には彼の確かな思想、哲学があります(それが私には難解だったのだけれど)。またサド文学を読んだら再読したい本です。その時はもう少し理解できると良いな。
2017/07/10
starbro
高校~大学にかけて良く読んでいた澁澤龍彦とマルキ・ド・サドを久しぶりに読みました。21世紀になっても全く色褪せていません。サドというとSMばかりが目立っていますが、「肉体および精神の自由」を300年前に提唱した凄い思想家?だと考えています。就職の最終面接で「最近一番印象に残ったニュースは?」と質問され「澁澤龍彦が死去したことです。」と答えたことが思い出に残っています。面接官は訳解ってなかったんじゃないかな?今回の小学館のP+DBOOKSシリーズは安価(600円)なので、若い人に是非読んで欲しいと思います。
2015/07/26
A.T
サド・マゾ…などは一括りにして、今や茶目っ気混まじりに口頭に登るフレーズだが、実際ご当人の生き様たるや。伯爵が生きたフランス革命前後の激しくも命懸けの執筆活動を掘り起こし、復活させてくれます。多様性うんぬんする割には、性の清廉潔白を極上の倫理と祭り上げる昨今の日本風情に一喝。「ジャスティーヌあるいは美徳の不幸」「ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え」「ソドム百二十日あるいは放蕩学校」の作品批評、逮捕投獄、精神病院監禁の半生。作品未読でも十分楽しめるサド批評集。
2023/01/09
amanon
とにかく怒号のように出てくる固有名詞に当惑(笑)。著者の知識の幅広さと奥深さに驚愕した次第。文学とその周辺に関する幅広い知識を駆使して縦横無尽に語り尽くすそのスタイルに英文学者高山宏に通じるものを感じたが、高山氏は著者をかなり意識している様子。さもありなん。それなりに興味深く読めたものの、扱っている領域があまりに多岐に渡っているため、未消化感が少なからずあるのも事実。個人的にとりわけ圧巻に感じたのは、やはり表題作か。あのサドは途轍もない問題児だったのと同時に、どこか無垢な要素もあったのでは?と思わされた。
2022/05/05
としだが
澁澤龍彦のマルキ・ド・サド関連の本を読みたかったんだけど、先にソドム百二十日を読むべきだったな。後半部はサドの一生について語られており、まだ全然知らない人の話を読んでもわかるわけないよな。前半部はサドの思想をあらゆる哲学者を挙げながらの解説。こちらは勉強になったけど、難しかった。主に文章が。
2022/10/20
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