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銃と十字架 (P+D BOOKS)

銃と十字架 (P+D BOOKS)

銃と十字架 (P+D BOOKS)

作家
遠藤周作
出版社
小学館
発売日
2015-11-10
ISBN
9784093522403
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銃と十字架 (P+D BOOKS) / 感想・レビュー

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優希

物語としての作り込みは弱い印象でした。それが功を奏したのか、よりダイレクトに言いたいことが伝わってくるように思います。切支丹にとって穏やかな時代は短く、神学校で学んだ少年たちは追放されていく。同志を見捨てるかのように国を去ったペドロ岐部は、神父として国に戻ることを決意するのが苦しい。また、ローマへと渡った少年たちは宣教師たちの教えない「真実」を見て棄教するか信仰を貫くかに別れる。それぞれの立場における信仰のあり方を見つめ、弱い人々を描いたのが刺さります。

2017/04/21

たぬ

☆4 遠藤周作23冊目。信仰心はかなり低いほうなのでここに出てくる信徒たちの気持ちはやはりわからないのですよ。十中八九殺されることがわかっているのに日本に戻るの? 即死させてくれるのならまだしも拷問でなぶり殺しにされるのに。肥桶の中で逆さづりなんて聞いただけで即棄教するでしょ…。切支丹迫害をネタにした小説はいくつか読んでいるけどどれもこれも惨たらしいよ。

2021/09/14

lily

記念すべき1000冊目は,『沈黙』と双璧を成す遠藤周作のキリスト教小説。日本人で初めてエルサレムへ渡り,迫害吹き荒れる日本へ戻り殉教したペドロ岐部の物語。遣欧使節である千々石ミゲルの棄教の原因ともなった,カトリック教会の侵略に苦しむアジアの人々。世界を駆けながら同じ思いに駆り立てられたであろう岐部だが,苦しむ同胞のため勇敢にも神父には地獄の日本に飛び込む。同志に裏切られ,穴吊刑を受けながら信徒を励まし,最後は火刑に処される岐部の姿には,誰もがイエスの受難を想起するだろう。間違いなく名著。

2020/01/18

月をみるもの

マカオからゴヤ、マスカットまでは船で、そこからは陸路でエルサレムまで行き、ローマにたどりついて神父になり、アユタヤとマニラ経由で日本に戻り、東北で殉教。どんだけ凄い人生なんだ>ペドロ岐部

2017/11/21

ぷるぷる

「沈黙」は切支丹禁止令後に棄教した人の話。こちらは信仰を捨てず海外に出てローマまで辿り着いて神父となり帰国し殉教した著者曰く強い人が主人公。小説ではなく研究書の趣。波乱万丈という言葉では済まない凄まじい生き方に絶句。ここまで迫害した幕府に対して信者保護を名目に西洋に日本が制服されなかったことは幸運ではないのかと考えた。アジアの植民地化の状況を見てキリスト教の矛盾にも気づいていただろうに信仰を守りなぶり殺しにされるのが分かった上で日本に帰ってきた考えは理解し難いが自分自身の意思を貫いた強さに心打たれました。

2023/01/03

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