加田伶太郎 作品集 (P+D BOOKS)
加田伶太郎 作品集 (P+D BOOKS) / 感想・レビュー
keroppi
福永武彦が、ペンネーム加田伶太郎で書いた探偵小説とペンネーム船田学で書いたSF小説を収録。巻末の「素人探偵誕生記」を読むと、福永武彦がホントに探偵小説好きだったということがよく分かる。純文学から離れ楽しみながら書いている。意外にちゃんとした本格である。睡眠を取り扱った「眠りの誘惑」や「湖畔事件」の「殺人狂」の少年兄弟が気になった。SF小説「地球を遠く離れて」もしっかりサイエンスしてるし「宇宙意志」というのが面白いが未完なのが残念だ。この本を読んで、福永武彦が小説「モスラ 」に関わっていたことに納得した。
2021/04/16
Ribes triste
福永武彦が推理小説を書いていたとは知っていましたが、ようやく手にとって読めました。著者の弁はさておき予想外に面白かったのです。ますます福永武彦が好きになりました。
2017/08/16
アレカヤシ
作者が冗談半分で書いた趣味的なものらしい。けれど面白く読んだ。(探偵小説の味は、秀抜なトリックと明快な論理とにある)P10 はじめの五作くらいは古典的探偵小説らしいが、あとになるほど、タネ切れの為か、風変わりになって面白い。登場人物たちが、作者の本職の小説に出てくる人物と同じ性質を持っていたりして、よく似た会話をしたりするのも可笑しい。どれも楽しんだけど、「女か西瓜か」が特に好きだった。主人公が自身の想像に恐怖するところ。ちょっとつげ義春の作品を思い出した。「地球を遠く離れて」の宇宙意志も好きな感じ。
2017/10/30
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