大世紀末サーカス (P+D BOOKS)
大世紀末サーカス (P+D BOOKS) / 感想・レビュー
ももや
江戸末期、幕府から海外に派遣されたサーカス団の奮闘を、座長広八の日記を紐解き作者が解説するというドキュメント。アメリカを皮切りに、大博覧海中のフランス、イギリス、スペイン、ポルトガル、火事に合ったりだまされて金を持ち逃げされたりしながら興行は続く。日本のみならず欧米もややこしい時代。ややこしい時代をたくましく乗り切る人たちのお話。ペーパーバック、軽い。通勤に最適!
2018/10/04
みや
幕末から明治にかけて実に2年以上に亘り欧米を巡業した曲芸師たちがいた。これは、後見人として一団を率いた高野広八が遺した日記を基にまとめられたルポルタージュ。幕府と薩摩との軋轢、英米仏の利権争い、19世紀末の世相などの背景も丁寧に織り込まれている。行く先々で盗難や詐欺被害などのトラブルに見舞われながらも、磨き上げてきた足芸や独楽などのパフォーマンスで観客の度肝を抜く様は誠に痛快。安岡氏は、地道に資料を追って歴史の妙を浮き彫りにするこのような作品も実にうまい。掛け値なしの面白さだ。
2019/01/09
isbm
★★★
2024/05/05
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