鞍馬天狗 3 新東京絵図: 鶴見俊輔セレクション (P+D BOOKS)
鞍馬天狗 3 新東京絵図: 鶴見俊輔セレクション (P+D BOOKS) / 感想・レビュー
cogeleau
明治維新となった直後の鞍馬天狗の後日譚。江戸は東京と改称され、徳川家は駿府に移り、旗本・御家人の多くはそれに付き従って移住した。人口は急減し、広壮な武家屋敷は荒れ果てた空き家となった。士農工商のうちの武士階級のみが失職するという社会秩序の大変動が起きた。その混乱期の明治元年の東京に、役目を終えた鞍馬天狗こと海野雄吉が若い書生たちと模索の日々を送る。武士の時代は終ったのだが、その先が見通せない混沌とした状況を作者は描いている。鞍馬天狗の活躍も、剣戟の場面もほとんどない異色作と言える。☆☆☆
2023/10/15
でろり~ん
絶品と思いました。これまで単にチャンバラ物と認識していた鞍馬天狗。だってさ、名前がさ、チャンバラ以外のイメージないですよ。三巻目にして時代はもう明治。ま、一話完結みたいな感じなんでしょうから、また江戸時代に戻ったりすることもあるのかもしれませんが。なんにしろ大佛次郎、はまりました。鞍馬天狗のイメージもすっかり変わりました。映画ではなく小説の天狗さんは、もちろん娯楽小説ではありながら、オットコマエな大人なのでありました。この巻のおぼえがきは、何とも素敵な内容でした。小説は素晴らしいと思わせてくれる一冊。
2019/05/28
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